一般的に踏切において警報機が鳴っている状態で進行する場合道路交通法に触れる場合があります。厳密にどのようなタイミングで違反となるのでしょうか。
踏切での違反…どのようなタイミングから?
クルマで踏切を通過中に警報機が鳴り始めることがあります。
踏切の通過方法によっては交通違反として検挙されてしまうケースもありますが、一体どのタイミングで通行すると違反になるのでしょうか。
クルマを運転していると踏切を通過する場面もあるでしょう。
時には踏切を渡っている途中で警報機が鳴り出したり、遮断機が下り始めたりする場合があるかもしれません。
通行方法を誤ると交通違反として警察に検挙されることもありますが、一体どのタイミングで踏切を通過すると違反になるのでしょうか。
踏切の通行方法に関しては、まず道路交通法第33条第1項で以下のように規定されています。
「車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。
ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。」
つまり踏切を通過する際には基本的に踏切の前で一時停止をして、電車が近づいてきていないかなどの安全確認をおこなってから通行する必要があります。
第1項の規定に違反した場合、罰則として3か月以下の懲役または5万円以下の罰金(過失は10万円以下の罰金)が設けられています。
また「踏切不停止等」の違反として交通反則切符を切られ、違反点数2点、普通車で反則金9000円が科される可能性があります。
さらに、同条第2項では以下のように規定されています。
「車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間又は踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入ってはならない。」
要するに、警報機や遮断機が作動し始めてから通行するか否かが交通違反として検挙される基準であると考えられます。
そしてクルマの発進と同時に警報機が鳴り始めた場合も状況に応じて違反とみなされるケースが想定されます。
このような場合には、安全のために停止すべきといえるでしょう。
第2項の規定に違反した場合も第1項と同じ罰則が設けられています。
さらに「遮断踏切立入り」の違反として交通切符を切られ、違反点数2点、普通車で1万2000円の反則金が科されることがあります。
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踏切内に閉じ込められてしまったらどうする?
また道路交通法第50条第2項では踏切に関して以下のようにも規定されています。
「車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、横断歩道、自転車横断帯、踏切又は道路標示によって区画された部分に入った場合においてはその部分で停止することとなるおそれがあるときは、これらの部分に入ってはならない。」
簡単に言うと、踏切の先にある道路が混雑して詰まっている場合には踏切の中に入ってはいけないということです。
踏切の前で一時停止した際に、踏切の向こう側の道路状況についてもよく確認しておくことが大切です。
前述の規定から考えると、踏切に入った後で警報機が鳴り出しても交通違反には当たりません。
しかし、一般的に警報が鳴り始めてから遮断機が下りるまでの時間は10秒から15秒程度、そして遮断機が下りてから列車などが到達するまでの時間は15秒から20秒程度であるため、警報が鳴ったらすぐに踏切の外に出るようにしましょう。
万が一、遮断機が下りてしまい踏切に閉じ込められてしまった場合はどう対処すれば良いのでしょうか。
JR九州のホームページでは以下の対応方法を掲載しています。
「車の走行中に踏切のポールが降りるなどして、踏切内に閉じ込められた場合、あわてずに車をそのまま前進させ、ポールを押し上げて脱出してください」
最近の遮断機のポールは折れにくく、しなやかな素材で出来ているものも多いため、ポールを壊さずに脱出できる場合もあるようです。
※ ※ ※
踏切の遮断機が下り始めたり、警報機が鳴り始めてから踏切を通行すると交通違反に該当するだけでなく、列車との接触事故につながる危険があります。
踏切を通過する際には周りの状況を目視でよく確認すること、また列車や警報機の音を聞くことを心がけましょう。