
2023年6月5日、レクサスは新規モデルとなる新型「LBX」を世界初公開しました。同ブランドで最も小さなSUVとなる新型LBXとはどのようなモデルなのか、そのデザインに注目します。
レクサス「最小SUV」世界初公開! デザインの妙に迫る
レクサスは2023年6月5日、これまでに無かった新規モデルとなる新型「LBX」を世界初公開しました。
日本での発売は2023年秋以降を予定していますが、一体どのような特徴を持つモデルなのでしょうか。
今回発表された新型LBXは、レクサスが新しいラグジュアリーの価値を提案するコンパクトSUV。
小柄なボディサイズに走りやデザインの上質さを凝縮し、従来の「高級車」の概念を変えるクルマを目指して開発されたといいます。
また、これまではレクサスにおける最小SUVとして「UX」が設定されていましたが、新型LBXはそれよりも小さなモデルとなります。
新型LBXのボディサイズは全長4190mm×全幅1825mm×全高1560mmで、ホイールベースは2580mm。
フロントデザインには、2022年に発売した現行「RX」や2023年4月開催の上海モーターショーで世界初公開された2代目「LM」の流れを汲みつつ、次世代レクサスの新たなファミリーフェイスとなる「ユニファイドスピンドル」が採用されています。
これは従来のレクサスに採用されてきた共通デザイン「スピンドルグリル」や「スピンドルボディ」に変わるもの。
ボディとグリルの境界を融合させたシームレスなグリルは、細やかなメッキが施された複数の6角形によって構成され、ラグジュアリーでありながらも押し付けがましさの無い高度なバランスによりボディ全体と調和しています。
また、下方に向かって放射状に広がるグリル形状は見た目の安定感を高める効果をもたらし、低重心感も強調。コンパクトなボディサイズを超えた存在感を実現しました。
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派手さを抑えつつ、張りのある面で「魅せる」デザイン
ヘッドライトの中にはレクサスに共通する「L字型のシグネチャーライト」が組み込まれ、中心に配置されたプロジェクター式LEDと合わさってまるで「瞳」のような生命感と力強さを新型LBXに与えます。
ボディに目を移すと、キャラクターラインを極力廃して「面の豊かさ」によって構成された立体感あるデザインに驚きます。
派手さを抑えつつ張りのある面で魅せるデザインは、かつてからレクサスが得意とするものでしたが、新型LBXのエクステリアはそのコンパクトさもあって凝縮されたカタマリ感が強く、レクサスの造形力の高さをあらためて痛感させられます。
このデザインの実現には、ショートボディを要因とする4隅にタイヤを配置したレイアウトや、全幅1825mmというワイドボディも一役買っていると言えるでしょう。
リアフェンダーからリヤエンドにかけての力強く筋肉質な膨らみはこのサイズ無くては難しく、仮に新型LBXのボディがもっと細かったとしたら同じインパクトは与えられなかったと想像できます。
リアのテールライトは、近年のレクサスの流儀に倣った左右のライトを繋げた形状。しかし単純な横一文字ではなく、中心が膨らんだバックドアの造形を避けるように回り込む「W型」を採用し、先進的なデザイントレンドに合わせつつも新型LBXならではの個性を与えることに成功しています。
また、テールライトの上を段のように走るキャラクターラインはボディサイドまで回り込み、リアタイヤのフェンダー幅を強調する役割を果たした後、リアドアの中心にかけて消えるという繊細な処理が施されました。
車体の下部にはリアに向かうにつれて切り上がる樹脂製のアンダーパネルを設置。タイヤハウスの周囲にも同じく樹脂製のモールが取り付けられ、ボディを保護するとともに、SUVらしいたくましさとタイヤの大きさによる力強さを強調しています。
そのほか、ルーフはボディカラー同色に加えてブラックアウトされた2トーンカラーの存在も確認でき、アルミホイールも複雑なデザインが施された複数のラインナップを用意。オーナーの好みにより、自分だけの新型LBXを完成させる楽しみことが可能になるようです。
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上質感、精緻さ、たくましさなど様々な要素を高次元で調和させた新型LBXは、単純なエントリーモデルという立ち位置ではなく、レクサスのみならず高級コンパクトカー市場の未来を切り開くことを期待させてくれるクルマです。
レクサスが本気で挑戦する「小さな高級車」という提案に対しユーザーがどのように応えるのか、注目が集まります。