スマホナビ使用時の「ホルダー」設置場所しだいでうっかり違反に!? どこが最適? 実際に付けてみた

スマートフォンのナビアプリをクルマで使うとき、「スマホホルダー」にスマホを固定している人もいるでしょう。しかし、スマホホルダーの取り付け位置によっては違反になる可能性もあります。実際に取り付けてみました。

便利な「スマホホルダー」取り付け位置によっては違反になる!?

 スマートフォン(以下、スマホ)の進化は止まるところを知らず、新たなサービスも次々と追加され、いまやスマホなしの生活はかなり不便なほど普及しています。
 
 クルマに関しても、ナビアプリなら常に最新の地図を利用できたり、さらにはサブスクで好きな音楽を車内で聴いたり、スマホは欠かせないものになりました。

 しかし、クルマのなかでの使用にはさまざまな制限があります。2019年12月からは交通違反に対する罰則がさらに強化され、通話していなくても運転中にスマホを手持ちしているだけで「ながら運転」とみなされることがあるほか、スマホを保持して通話したり、画面を注視して交通事故を起こしたら、「違反点数の6点+30万円以下の罰金」が科せられるようになっています。

 ながら運転で事故を起こすと、刑事責任も問われる「赤キップ」が切られることになっており、それだけ運転中の使用は危険であると認識されています。

 そんなながら運転を防ぐ意味があるほか、カーナビやオーディオとして使用するために、手軽かつ安価な方法として「スマホホルダー」を装着する人が増えているようです。

 とはいえ、スマホホルダーはどこでも取り付けて良いというわけではなく、フロントガラスへの装着はNGとなっています。

 これは「道路運送車両法」の第3章(道路運送車両の保安基準)により、車検ステッカーやドライブレコーダー以外のものは、フロントガラスの上端20%以内に設置すると定められています。

 さらにダッシュボード上に配置する場合も、前方にある高さ1mの円柱が見えなくなるような取り付けはNGとなります(ダッシュボード上の高さ規定はスマホだけでなく、後付けモニターやグッズなども含まれます)。

 そうなるとスマホホルダーを配置できる場所もおのずと限られてくるわけで、スマホホルダーの種類も違反に該当しない、無難なものを選ぶのが良さそうです。

 スマホホルダーは大きく分けて3種類あります。

 まずは、ダッシュボードなど平坦な場所に配置するための「吸盤・粘着ゲル」タイプで、何もないところに吸盤や粘着ゲルで貼り付けるものです。

 ただし、道路運送車両法の保安基準にもあるように、位置によっては前方の視界を遮る可能性もあり、また吸盤・粘着ゲルは経年によって吸着力が低下しやすいというデメリットもあります。

 もうひとつが現在の主流である「クリップ」タイプ。これはダッシュボードや突起している箇所や、エアコンの吹き出しルーバーなどをクリップで挟んで固定する方式です。

 配置を考慮しやすく視界を遮る心配もありませんが、ホルダーの強度によっては、スマホの重さでルーバーが変形・破損してしまう恐れもあります。ただもっとも無難な選択といえます。

 もうひとつが「カップホルダー」タイプです。センターコンソールに配置されているカップホルダーに合う形状のベース部分を持ち、収まりがいいのがメリット。一方でカップホルダーが塞がってしまい、本来の使い方ができなくなることがデメリットです。

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設置は簡単でも注意すべきことは?

 今回は、実際にスマホホルダーを購入し、自分のクルマに取り付けてみました。まずはスマホホルダーの種類選びです。

 内装を汚したくないのと、視界を遮らないようにとの判断から吸盤・粘着ゲルタイプは却下。また、カップホルダータイプも、飲み物がおけなくなることを考慮し、もっとも無難な、エアコンの吹き出し口にあるルーバーを挟むクリップタイプにしました。

 また、スマホのバッテリー残量も気になるので、ワイヤレス充電機能付きのクリップタイプ(日本製)を4000円弱で購入しました。

 取り付け方法はまったく悩む必要もありません。任意のルーバーにクリップを挟み、ホルダー本体を取り付け、付属のUEBケーブルを本体のコネクター端子に繋ぐだけです。

 ただし、付属するのはケーブルだけだったので、シガーソケットをUSBに変換するアダプターが別途必要でした。こちらは約1000円で購入しました。

 取り付けは簡単なのですが、一番の問題は設置する位置です。上部のエアコン吹き出し口に取り付けると、オーディオの一部ボタンに被ってしまうことが判明。さらにこのクリップの強度が脆弱そうで、耐久性には不安がよぎります。

 オーディオの操作性が犠牲になるのは致し方なしとし、ステアリングの左側、センターコンソール上部あたりに配置してみました。

 設置が終わり、USBコネクターも繋ぎ、エンジンスタート。すると、きちんとロゴが光り、スマホを押さえるアームも自動開閉します。スマホを置いてみると良い感じです。

 しかも気になっていたワイヤレス充電がちゃんと機能しています。

 実際に使ってみたところ、現状ではおおむね良好です。ただ、スマホが予想以上に重いのか、若干下を向きそうになるため、微調整は必要かもしれません。

 また舗装路しか走っておらず、荒れた路面を走ったときにどうなるかは未知数ですが、スマホを手で持つことなく、しかもワイヤレス充電も可能とあって、心強い存在といえそうです。

※ ※ ※

 約5000円の費用でスマホが活用できるのであれば、スマホホルダーの対費用効果は高いと思います。

 クリップ部分に強度の不安はあるものの、生活に欠かせないツールとなったスマホだからこそ、車内でもしっかり置く場所を決めておいた方がトラブルが少なそうです。