丸い「ボタン」の正体は? 答えられる人はかなりにマニア!? シートベルトの丸いボタンの役割とは

シートベルトをよく見ると小さな丸いボタンのような部品が付いているのが分かります。まったく意識することのない部品ですが、これは一体どのような役割をしているのでしょうか。

いつも気にしないシートベルトの「丸いボタン」の正体とは

 クルマのシートベルトをよく見てみると、タングと呼ばれるT字型の金具の付近に丸いボタンのようなものが付いています。
 
 目立たない小さな部品ですが、一体どのような役割をしているのでしょうか。

 クルマに乗る際に何気なく装着しているシートベルトですが、細かい部品の名称は知らないという人も少なくないでしょう。

 たとえば、シートベルトに付いているT字型の金具は「タング」または「タングプレート」などと呼ばれているほか、タングを差し込む部品のことを「バックル」と呼びます。

 バックルは服のベルトやリュックなどでも留め具として使われているため馴染みのある人はいると思いますが、タングという言葉は初めて聞いたという人もいるかもしれません。

 タングは英語の「TONGUE」であり、日本語で「舌」を意味します。

 部品の名前の由来は明らかになっていないものの、差し込む部分の金具が舌のような形をしているからではないかと推測されています。

 さらにベルト部分をよく見ると、タングの辺りに小さな丸いボタンのような部品が付いているのが分かります。

 普段まったく意識することのない部品ですが、これは一体どのような役割をしているのでしょうか。

 この部品は「タングストッパー」や「ストッパータング」と呼ばれており、タングが下に落ちるのを防ぐ、まさにストッパーの役割をしています。

 タングストッパーが取れてしまうとタングが床の方までずり落ちてしまい、シートベルトを装着する際にタングを引っ張り出しにくくなります。

 この部品の難点は意外にも壊れやすいという点で、慌ててクルマのドアを閉めたときにシートベルトを挟んでしまい、その衝撃でタングストッパーが破損したり、取れてしまったりするケースもたびたび発生しています。

 SNS上でも「運転席側のタングストッパーが気づかぬうちに取れていて地味に不便」という声や「タングストッパーが取れたけどディーラーには部品がなかった」といった声が寄せられており、破損させる人が一定数いることが明らかになっています。

 このタングストッパーが破損もしくは取れてしまった場合には、ディーラーや自動車工場などに修理を依頼しても良いですが、実は自分で直すことも可能です。

 インターネットで「タングストッパー 部品」などと検索すると自動車メーカーの純正パーツが販売されており、自分で純正品を取り寄せて修理できます。

 修理をおこなう際には、タングストッパーが付いていたベルトの部分に穴が開いているため、その部分を目印にボタンをはめ込み、手芸に使われるハンディプレスなどで両側から挟んで圧力をかけると取り付けられます。

 タングストッパーの部品は数百円で販売されているほか、ハンディプレス自体も2000円程度であるため、比較的安価に修理することができるといえるでしょう。

 ただし部品を取り付ける際には注意点もあります。自分で修理した人の中にはピンバッジや安全ピンなどで代用したという声もありました。

 しかし、場合によってはシートベルトを装着した際に取り付けた部品が体に食い込んだり、怪我の原因になる可能性があるため、できる限り正規の部品を使用するなど配慮したほうが良いといえます。

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 タングストッパーが壊れるとタングがずり下がり、シートベルトを装着する際に不便になってしまいます。

 自分で修理するのは難しくありませんが、ドアを閉める前にシートベルトの緩みを戻しておく、ドアに部品が挟まらないよう十分に確認するなど、そもそも部品が破損しないような取扱いを心がけましょう。