勘違いしやすい交通ルール! サンダルでの運転は違反になる?

■思い込みから勘違いしやすい交通ルール


勘違いしやすい交通ルール

「えっ! そうだったの!?」と警察から指摘されてから、初めて交通違反(ルール)があったことに気がつく人も多くいるようです。勘違いや思い込みから、間違って認識していることも多い交通ルールをいくつか紹介します。

サンダルでの運転は違反になる可能性も

夏の暑い日やちょっと近くのコンビニまで行くときなど、脱ぎ履きが楽なサンダルで運転することがある人もいるかもしれません。

しかし、脱げやすいサンダルやハイヒール、厚底靴などでの運転は安全運転義務違反や公安委員会遵守事項違反に該当する可能性があります。

道路交通法第70条(安全運転の義務)には、

「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキ他の装置を確実に操作し、道路、交通および当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼすことのないような速度と方法で運転しなければならない」

とあり、運転操作に支障があるような履き物での運転は、安全運転義務違反に該当する恐れがあります。違反してしまうと2点の違反点数と9000円の反則金が科されます。

また、道路交通法第71条の6には

「車両等の運転者は、公安委員会が道路における危険を防止し、そのほか交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項(公安委員会遵守事項)を守らなければならない」

と書かれており、サンダルや下駄など、運転を誤るおそれのある履き物での運転は、公安委員会遵守事項違反に該当する可能性があります。取り締まられると、点数の加点は無いものの、6000円の反則金が科されます。

たとえば東京都道路交通規則の第8条には

「木製サンダル、げた等運転操作に支障を及ぼすおそれのあるはき物をはいて車両等(軽車両を除く。)を運転しないこと。」

とあります。

各都道府県の公安委員会によって細則の内容は異なるので、自分の運転する可能性のある自治体の細則を確認しておくと良いでしょう。

かかとが固定されていない靴で運転してしまうと、ペダル操作時に滑ってしまったり、ペダルの踏み換えがスムーズにいかなかったりなど、操作を誤る危険性が高くなります。フロアマット等にかかとが引っかかってしまうと身動きがとれなくなってしまうことも…。

脱げにくく、かかと固定されていることはもちろん、滑りづらい靴であればペダルを踏む強弱がつけやすいので、同乗者も乗り心地が良く安定した運転を体現することができるでしょう。

夏場などは、サンダルやミュール、また草履や下駄を履きたくなるときもあるでしょう。そんな場合は、運転用の靴を車内に常備しておく、というテもありますよね。運転するときには運転しやすい靴に履き替える!です。

夕暮れ時も点灯したほうがよいことも


夜に雨が降ると、さらに視界は悪くなる

ヘッドライトを点灯するタイミングは、人によって異なることもありますが、一般的に周囲が暗くなりはじめる夕暮れ時までに点灯したほうがよさそうです。運転手自身の視界を良くすることに加えて、周囲のクルマにも存在を知らせることができるので、事故に合う確率を下げることができます。

道路交通法第52条にて「車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯そのほかの灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする」と定められています。

天候が悪く、日没前でもクルマを確認しづらいような暗さだったら、無点灯であることを警察から指摘されることがあるので、早めに点灯させることを心掛けましょう。

なお、無灯火違反で取り締まられてしまった場合は、1点の違反点数と6000円の反則金が科されます。

高速道路で左側からの追い越し


追い越す時は、必ず右から

高速道路を走行中、「前のクルマが遅いな」と感じたら、追い越しを考えるかもしれません。

ただし、前走車を進路変更して追い越すのは、右からでないとならない、と義務付けられていることはもちろん、ご存じですよね。教習所で教わりましたし。

多車線道路での左側からの追い越しには『追越し違反』の罰則が科され、違反点数は2点で、普通車の場合の反則金は9000円です。

エンジンをかけっぱなしでクルマから離れる

クルマを道路の脇に寄せてエンジンをかけっぱなしで施錠せずに、ちょっとコンビニに行く。

そんな風景を見たことや行ったことがある方は多いかもしれません。しかし、エンジンを停止せず、施錠しないでクルマを離れる行為は『停止措置義務違反』に該当します。

道路交通法第71条の5は「車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること」と定めており、違反すると1点の違反点数と6000円の反則金が科されます。

クルマを離れる際は、「少しの時間なら大丈夫だろ」とエンジンをかけっぱなしでコンビニに立ち寄ったり、職場や自宅に忘れ物を取りに行ったりしてしまいがちです。が、盗難にあった場合は、ドライバーに過失があると判断され、保険金が支払われないこともあります。

違反点数や反則金が科されるだけでなく、トラブルがあった際も不利になってしまうので、必ずクルマを一時的に離れる際は、エンジン停止と施錠する習慣をつけましょう。

道幅の狭い道路で駐車する


無余地場所での駐車は交通の妨げになる

「クルマの通りが少なく、ちょっとだけなら停めても大丈夫かな?」そんなことを思い、道幅の狭い道路にクルマを停めると、『無余地駐車違反』に該当する恐れがあります。

道路交通法45条は「車両は、第四十七条第二項又は第三項の規定により駐車する場合に当該車両の右側の道路上に三・五メートル(道路標識等により距離が指定されているときは、その距離)以上の余地がないこととなる場所においては、駐車してはならない」と定めており、たとえ駐車禁止や駐停車禁止の表示がなくても違反にあたります。

取り締まられてしまうと、2点の違反点数と1万5000円の反則金が科されます。

右側に3.5m以上の余地がある場合は問題ありませんが、交差点とその端から5m以内の場所や、道路の曲がり角から5m以内の場所などもNGです。これらについては、運転免許証を取得するために通った自動車教習所でも習っているはず。

このように、交通ルールの中には勘違いや思い込みで間違えやすいものや、違反だということを忘れてしまっている場合もあります。しかし、事故やトラブルが起こってから、違反であったことに気づいたり思い出したりしても、後悔するだけ。今一度、忘れがちな交通違反やルールを見直してみてはいかがでしょうか。

(鈴木 僚太[ピーコックブルー])