年間20泊以上ソロキャンプを楽しんでいる野外料理研究家、ベアーズ島田キャンプさんが、ついに家族ともキャンプをはじめたという。
ソロキャンプではベテランの域に達していても、小さな子どもを連れて行くキャンプは勝手が違うのだろうか。
そのあたりを取材してみた。

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ベアーズ島田キャンプさんと愛娘のアーちゃん(1歳)
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■〈キャンプ場選びの極意〉役立つ設備を完備

ソロキャンプでは、なるべくシンプルな施設のキャンプ場を好む島田さんだが、ファミリーキャンプは別。
悪天候時に対応できるバンガローや頼もしいスタッフがいることはマストの条件。

また、忘れがちだがファミリーが多く利用するキャンプ場を選ぶことも重要だ。グループが多いと夜遅くまで声が届くなど、生活リズムが違い、互いに不満が残る。

清潔なコインシャワーや温泉が隣接していれば、泥だらけになるまで遊んでよし。帰宅前に汗を流して帰れるのも高ポイントだ。

キャンプ場出入り口に管理棟があり、しっかり来場者をチェック。不審者が入り込みづらく、盗難の不安を軽減できる。

バンガローやコテージが空いていれば、急な土砂降りや冷え込みでテント泊がツラくなった時に避難できる。

炊事場やトイレ、シャワーなど水回りはなんといっても清潔なのが一番! 
給湯器付きで温水が使えるなら油汚れを落としやすく、ママ受けがいい。

携帯電話の電波が安定して入るキャンプ場なら、たとえスタッフがいない時間帯でも、自分で病院や薬局へ連絡できる。

この日、島田さんがファミリーキャンプの舞台として選んだのは自宅から2時間以内で到着する神奈川・青根キャンプ場。
高速を降りてからは約20分。大半が山道だが、この距離なら落ち着いて過ごせると判断したという。

■〈スケジュールの立て方〉ゆとりを持って行動しよう

ソロキャンプでは自分のペースで出発し、適当に休憩を取りつつ過ごせばいいが、ファミリーキャンプでは子どもの体調を考えてプランを立てる。

せっかくのキャンプだから「アレもコレもしよう」と欲張ると疲れるだけ。昼寝の時間を確保したゆったりペースがオススメだ。

山道に強い子もいれば弱い子もいる。目的地は子どもの体質に合わせ、トイレ休憩もこまめに取りたい。
すぐに飽きる子には渋滞対策の動画やゲームをお忘れなく。

■〈サイト設営〉キャンプ=楽しいとインプット

1歳の子は何もできない、というのは間違い。子どもは親と同じことをしたがるものだ。

アーちゃんも「コレをママに持っていって」と言えば道具運びをする。遊び感覚でキャンプサイト作りを行えば、成長とともに自発的に「キャンプに行こう」と言うようになるはずだ(願望)。

小さな子でも楽しく手伝えるのはマットの空気入れ。
ポンプを押すと空気が吹き出るとわかれば子どもは積極的にポンプを押す。決してきちんと空気が入るわけではないがそれでも十分。

もちろんすぐに飽きるので、お手伝いは長続きしないが、小さいうちはそれでよし。

気をつけたいのは、子どもの年齢に関わらず目を離さないこと。サイト設営に集中して放っておくと、水辺に寄ったり斜面を落ちたりする危険があるためだ。

■〈テント選びは慎重に〉設営しやすいテントがベスト

島田さんファミリーのように小さい子がいると、なかなか大人2人でテントを設営する時間をとれない。
フレームを立ち上げる時は2人での作業が望ましいが、それ以外はひとりで作業をすすめられるテントがベターだ。

neos ALストリームドゥーブル・PLR XL-Alは大型2ルームだがフレームがズレにくく、比較的作業は楽!

家族みんなで力をあわせてサイト設営完了!
2ルームテントは幕体が重いけれど、全閉すれば家族だけの空間が生まれる。テント内で落ち着いてすごせるのがいい。

■〈調理する場所〉子どもを見ながら調理

ソロキャンプではただひたすら焚き火で料理をしながらお酒を飲むのが島田さんの楽しみだが、ファミリーキャンプでは一転。

キャンプビギナーのママでも簡単に使えるツーバーナー・GRIDを用意して火を扱う時間はごく短い。勝手に火や刃物に触ったり、調理中の島田さんに触れたりしないよう、ママがアーちゃんを抱っこ。

その間にサッと料理の準備をするというわけだ。自宅で下ごしらえをしておけば、もっと楽に料理に取りかかれるだろう。

■〈小さな焚き火〉子どもの安全第一!

焚き火は大人も子どもも大好き♡
キャンプでしかできないレア感、そして着火の手間もあり、はじめて炎を見たときの感激はひとしおだ。

しかし、やけど、薪のトゲが刺さる、ナタの刃でケガをするなど危険も多い。子どもだけで焚き火に近づかない、焚き火や薪割りをしている人のそばで走らないなどルールを徹底しよう。

乾いた落ち葉や松ぼっくりを探して歩いていると、いつの間にか子どもは自発的にいろんなモノを拾ってくるようになる。
焚き付けになりそうなモノを取ってきたらいっぱいほめてあげよう。

■〈思い出つむぎ〉年齢にあった遊び方を

子どもの成長によって、できることとできないことがある。無理に体験させるとキャンプ=イヤなイメージになりかねない。

小さな子と一緒なら散歩や昆虫探し、動物にタッチなどからはじめてみては。いずれも子どもの興味をひくように誘導して家族の楽しい思い出にしよう。

青根キャンプ場にはアーちゃんの大好物、すべり台がいくつもあり、笑顔が絶えない。

■〈寝室作り〉暖色の光とあたたかな寝袋

コンパクトで大光量のLEDランタンが人気だが、寝室では光が強すぎて目がさえてしまうので、暖色のやわらかな光のライトを選ぼう。

子どもの大好きなタブレットも、光の刺激が強いので夜はガマンだ。寝袋は封筒型を使って、親子で潜り込んで。
小さな子はおねしょが心配なので、オムツをしっかり履かせよう。

テント内で燃焼系のランタンを使うとやけどや火災、一酸化炭素中毒の原因になりかねない。乾電池を使う暖色系の中〜小型LEDランタンを用意しよう。

バッテリーガードLEDランタンは、消灯中の過放電を防ぐので、防災アイテムとしても活躍する。AC電源サイトなら、自宅のライトスタンドを用意してもいい。

封筒型の寝袋は、2枚をジョイントできるモノが多い。
丸洗い寝袋ファミリー・10もそう。親子3人で仲良く眠れるのでファミリーにおすすめだ。
ただ、小柄なママや子どもは、首もとや脚もとが冷えやすいのでブランケットを併用すると安心だ。

PHOTO/中里慎一郎 
TEXT/大森弘恵 
協力/青根キャンプ場
出典/ガルヴィ2019年6月号

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