雄大でダイナミックな自然に溢れ、多くの人を魅了している北海道。本州では見られない独特な地形の景観や固有の動植物などが多数あり、「北海道ならではの絶景スポットを訪れたい」と考える人は多いことでしょう。

本記事では、北海道で素敵な景色と爽快感が楽しめる美しい草原を道央、道南、道北、道東のエリア別にご紹介します。定番の有名な草原から穴場のビュースポットまで、おすすめの景勝地をピックアップしましたので、「北海道の自然を満喫したい」という人はぜひ最後までご覧ください。

目次

<1. 北海道のどんなところに草原はある?>

<2. 北海道の「道央」にある草原>

<3. 北海道の「道南」にある草原>

<4. 北海道の「道北」にある草原>

<5. 北海道の「道東」にある草原>

<6. 北海道の草原が楽しめる季節は?>

1. 北海道のどんなところに草原はある?

北海道には牧場や国立公園、十勝平野などの平野・湿原など草原を見られるスポットが数多くあり、道内の至るところで美しい景観に出会えます。

日本一広い公共牧場や日本最北端の国立公園、特徴的な地形を持つ景勝地など個性豊かな場所も多く、北海道ならではのパノラマを堪能できることでしょう。

北海道のエリアは大きく道央、道南、道北、道東の4つに分かれており、それぞれのエリアに緑豊かな草原を持つ景勝地があります。エリアによって草原と一緒に見られる動植物や山々・海岸線などが異なりますので、ぜひ立地も考慮しながら参考にしてみてくださいね。

2. 北海道の「道央」にある草原

札幌や小樽、定山渓温泉など有名な観光地が多い道央エリア。道庁所在地である札幌市内にも自然を感じられるスポットが多く、気軽に自然に触れられる点が大きな魅力です。

また、札幌から車で2時間ほどのニセコ町周辺にも野生動物が住む緑豊かな場所が多く、草原を一望できるスポットや牧場などがあります。

サッポロさとらんど



<出典:写真AC

札幌市東区にあり、札幌中心部から約30分ほどでアクセスできる「サッポロさとらんど」。「人と農業・自然とのふれあい」「都市と農業の共存」をテーマにした田園テーマパークで、札幌ドーム14個分の広さの敷地面積を誇ります。

四季折々の美しい花々が咲き誇るガーデンや牧場など、のどかで美しい風景を楽しめます。郊外の牧場や湿原のような圧倒的な開放感は感じないかもしれませんが、アクセスのよい場所で気軽に自然に触れたい人におすすめのスポットでしょう。

また、景観を楽しむことだけでなく、さまざまな体験ができる点もサッポロさとらんどの魅力です。季節野菜の収穫体験やバターづくり体験などの講座への参加、やぎや羊を間近に見られるふれあい牧場など、ここでしか体験できないアクティビティや施設が豊富に用意されています。

望羊の丘



<出典:写真AC

望羊の丘はニセコ町から車で45分ほどのところ、虻田郡京極町に位置しています。1969年(昭和45年)頃には町営牧場としてたくさんの牛が入牧していましたが、今は採草地として活用されています。

北海道らしい広大な草原や、「蝦夷富士(えぞふじ)」と呼ばれる「羊蹄山」を望めるスポットで、雄大な絶景に圧倒されることでしょう。

また、日中はもちろん夕日が美しいスポットとしても知られているため、夕方の時間帯に訪れるのもおすすめです。

夜には満天の星も眺められますが、駐車場やトイレ、お土産店などの施設がない点には注意するようにしましょう。

ニセコ高橋牧場

ニセコ町にあるニセコ高橋牧場は、美しい草原のなか牛が佇む姿や、堂々とそびえ立つ羊蹄山を眺められる牧場です。

景色の美しさはもちろん、ミルク工房で新鮮な牛乳を使った絶品のスイーツをいただける点が大きな魅力。自然な製品づくりのため添加物を極力避けたシュークリームやロールケーキ、生乳本来の味を楽しめるソフトクリームなどは、一度は食べたい一品でしょう。

また、新鮮なミルクから作られたチーズがたまらないピザや、共働学舎の生ハムサラダが食べられる「マンドリアーノ」、野菜やバスタ・肉料理などをビュッフェ形式でいただける「プラティーヴォ」など、レストランも充実しています。

3. 北海道の「道南」にある草原

道南はほかのエリアに比べると年間を通しての寒暖差が小さく、道内では比較的温暖なエリアです。道内でも人気の観光地である函館を中心に観光スポットが多いため、旅行で訪れる人も多いでしょう。

ここでは、そんな道南エリアで美しい草原が見られるおすすめの景勝地をご紹介します。

北海道夜明けの塔周辺

北海道夜明けの塔は、檜山郡上ノ国町にある上ノ国のシンボルタワーです。上ノ国町開基800年を記念して1988年(昭和63年)に建てられたもので、展望部からは市街地や日本海が一望できます。

夜明けの塔が位置する「中世の丘」は美しい草原が広がっており、塔や風車、緑の草原などの北海道らしい景観が広がります。2020年からは「花畑プロジェクト」がスタートしたこともあり、春には塔のすぐ下に広がる「太陽の広場」に菜の花が咲き誇る様子も見られますよ。

展望部から見られる日本海へ沈む夕日も絶景のため、夕方に訪れてみるのもよいでしょう。

汐首山(しおくびやま)



<出典:写真AC

函館町汐首町にある通称汐首山(しおくびやま)は、美しい海岸線を見下ろせる290mほどの山です。山頂の草原には白や茶の野生の馬がいて、開放的な景色のなか、仔馬同士がじゃれあったりゆったりと歩いたりする様子が見渡せます。

1960年代(昭和30年代後半)に汐首山に町営牧場が開設され、1995年度末に廃止になったものの、馬の預け先に困った一部の利用者が放牧を続け現在に至っているのだとか。

人に慣れている馬も多く、緑の草原や津軽海峡が広がる美しい景観のなか、触れ合いの時間を楽しめます。入り口のゲートからは徒歩1時間ほどで山頂に着くため、ゆったりとハイキングを楽しむのもよいでしょう。

4. 北海道の「道北」にある草原

旭山動物園で有名な旭川や、北海道本島最北端の地である「宗谷岬」を有する稚内などで知られる道北。大自然が織り成す絶景ポイントが多い「利尻島」や、日本最北の離島「礼文島」などもあり、雄大な北の大地を感じられるエリアです。

氷河期につくられた珍しい地形や日本最北端の国立公園など、北海道ならではの景観に出会えることでしょう。

宗谷丘陵



<出典:写真AC

宗谷丘陵は、稚内市にある特徴的な地形を持つ景勝地です。氷河期に地盤の凍結と融解が繰り返されたことによってつくられた「周氷河地形」のひとつで、なだらかな丘陵が続く様子はほかではあまり目にできない景観でしょう。2004年(平成16年)には、北海道遺産に指定されました。

明治の中頃までは森林が生い茂っていたようですが、相次ぐ山火事により、現在は美しい牧草地に。周辺には利尻山やオホーツク海などの絶景が広がっており、何とも開放的な雰囲気のスポットです。

宗谷丘陵には、ありのままの風景を歩きながら楽しむことを目的とした「稚内フットパス」のコースもあるため、周囲を散策するのもよいでしょう。ホタテの貝殻を敷いた「白い道」と草原・水平線とのコントラストや、日本最大級の57基の大風車が並ぶウインドファームなどの景観を堪能できます。

利尻礼文サロベツ国立公園



<出典:写真AC

日本最北端の国立公園である「利尻礼文サロベツ国立公園」。北海道の最北端の島である利尻島・礼文島と、北海道北部にあるサロベツ原野という3つの地域から成り立つ公園です。

その最大の特徴は、山岳や花畑・海食崖・湿原・海岸砂丘など多種多様な景観に出会えることでしょう。公園のシンボル的な存在で湖沼や湿原が点在している利尻山や、夏季には固有種を含む多くの花々が咲き誇る礼文島、日本を代表する湿原地帯であるサロベツ原野などで、変化に富んだ美しい景色を楽しめます。

また、希少な野生動物などを観察できる点も、利尻礼文サロベツ国立公園の魅力。ラムサール条約湿地に登録されているサロベツ原野では、オオヒシクイなどの渡り鳥、シマアオジなどの希少な野鳥を見られます。

さらに、シマリスやイタチなどの小動物が現れたり、海岸にはゴマフアザラシなどの海獣が訪れたりすることも。豊かな自然の生態系に、思う存分触れられることでしょう。

ハイジの丘

ハイジの丘は、北海道北部の中頓別町弥生にある、牧歌的な風景が広がるスポットです。小高い丘から中頓別の地形が一望でき、山岳や田園などの風景を堪能できます。晴れた日であれば、遠くに敏音知岳や松音知岳なども眺められることでしょう。

まるでスイスにいるかのような気分を満喫できるこの場所は、穴場スポットといわれていることもあり、パノラマ風景をゆっくりと観賞できる点が特徴です。

5. 北海道の「道東」にある草原

世界自然遺産知床や釧路湿原国立公園など、手つかずの自然が多く残る道東。希少な動植物なども多く、この地でしか触れられない自然に出会えるエリアです。

また、北海道一の農業地帯として知られる広大な十勝平野や、素材を活かしたスイーツやグルメなどが食べられる帯広も道東エリアに位置しています。

ここでは、そんな道東エリアでダイナミックな草原に出会えるスポットをご紹介していきます。

900草原



<出典:写真AC

北海道の東側、川上郡弟子屈町にある「900草原」。総面積1,440haの広大な町営牧場で、草原で乳牛がのんびりと過ごす姿や、美しい山々などを望めるスポットです。

展望台からは見渡す限りの緑のパノラマや、摩周岳・硫黄山、天気がよければ釧路湿原や雌阿寒岳・雄阿寒岳などを見ることも可能。

ジンギスカン定食などが食べられるレストハウスやBBQハウスなども用意されており、北海道ならではの食事も楽しめますよ。また、4コース36ホール、国際パークゴルフ協会公認の本格的なゴルフコースも用意されています。

大平高原

大平高原は紋別郡遠軽町にある、広大な緑の草原が広がるスポットです。青い空の下、どこまでも続く草原が広がる景色はすばらしく、「大平ジオパークロード」として「ほっかいどう100の道」に選ばれています。

また、日中の景色はもちろん夜の星空も美しく、遮るものが何もないため満天の星空を眺められる点が大きな魅力。

近隣にはマウレ山荘というリゾートホテルもあり、「エゾ・モダン」をコンセプトにした落ち着いた雰囲気の部屋に宿泊できます。自然の景観を楽しめる露天風呂や地元食材を使った和洋折衷のコース料理なども人気で、静かな環境のなかリゾートステイを満喫できることでしょう。

釧路湿原国立公園



<出典:写真AC

釧路湿原国立公園は、1980年(昭和55年)に日本で最初のラムサール条約登録湿地となり、7年後には国立公園に指定、1967年(昭和42年)には湿原そのものが国の天然記念物に指定された場所です。

総面積220平方kmを超える広大な公園内には数多くの展望台があり、雄大な湿原や川の美しい蛇行などの景観を思う存分堪能できます。

なかでもおすすめの展望台が、JR釧路湿原駅から徒歩で20分程度の場所にある「細岡展望台」です。釧路川の蛇行や雌阿寒岳・雄阿寒岳の姿など、ダイナミックな景色を満喫できることでしょう。細岡展望台は夕日の名所にもなっているため、夕景を見に訪れるのもおすすめです。

さらに、アフリカの大草原のような景観を望める「サテライト展望台」も人気スポットのひとつ。こちらの展望台からは広い釧路湿原を全体的に見渡せるため、スケールの大きさを感じることが可能です。釧路市湿原展望台を起点とする遊歩道の途中にあるため、散策しながら訪れるのもよいでしょう。

また、国の特別天然記念物であるタンチョウをはじめ、多くの貴重な動植物に出会える点も釧路湿原国立公園の特徴です。エゾシカやキタキツネ・オジロワシ・氷河期時代の生き残りといわれるキタサンショウウオなどの多様な生物のほか、700種以上もの植物も観察できます。

ダイナミックな景観や多種多様な動植物などを通して、ぜひ釧路湿原ならではの自然を感じてみてくださいね。

ナイタイ高原牧場



<出典:写真AC

河東郡上士幌町にあるナイタイ高原牧場は、総面積約1,700ha(東京ドーム358個分)にも及ぶ日本一広い公共牧場です。

遥か遠くの地平線まで続く緑の草原のなか牛が放牧されている様子は、北海道らしいダイナミックな景観だといえるでしょう。

頂上には2019年6月にオープンした「ナイタイテラス」があり、標高約800mの高さから牧場全体や十勝平野、遠くに阿寒の山並みまでも望むことが可能。全面ガラス窓となっている室内からはもちろん、日差しに配慮された日かげテラスなどから、美しい景観を心ゆくまで堪能できます。

展望カフェではフレッシュミルクが使われた絶品ソフトクリームやハンバーガー、ナイタイ和牛のローストビーフ丼などが販売されているため、すばらしい景色を眺めながら北海道らしいグルメやスイーツも楽しむのもよいでしょう。

十勝千年の森



<出典:写真AC

上川郡清水町にあり、広大な敷地内に美しい5つのガーデンを展開する「十勝千年の森」。地形の特性を活かしたスケールの大きなガーデンは、北海道らしい自然の雄大さを感じられる場所です。

圧倒的なスケールを持つ「アースガーデン」は、イギリス人ガーデンデザイナーのダン・ピアソン氏が手掛けたもの。芝の丘が日高山脈と一体となっており、自然のダイナミックさを感じられます。

アースガーデンの奥には、草花の生命力を活かした「フォレストガーデン」があります。ミズナラを中心とした広葉樹の森が広がっている場所で、川のせせらぎや鳥の声などを聞きながら、さまざまな野の花に出会えるガーデンです。

そのほかにも、イギリス・ガーデンデザイナーズ協会主催「SGD Awards 2012」で2つの賞を受賞した「メドウガーデン」や、「農と食と庭のつながり」がテーマの「ファームガーデン」、4人の著名なガーデンデザイナーによってつくられた「HGSデザイナーズガーデン」などがあります。

また、敷地内では広大な草原を飛び回るような感覚で楽しめる「セグウェイガイドツアー」や乗馬体験、十勝ナチュラルチーズ作り体験などのアクティビティも充実。国内のコンテストで金賞や優秀賞を獲得したヤギチーズを購入できる工房などもあり、一日中満喫できるスポットとなっています。

6. 北海道の草原が楽しめる季節は?

北海道は基本的にはいつ訪れても楽しめる観光地ですが、どこまでも続く緑の草原や美しい大自然を満喫したいのであれば、夏場に訪れるべきでしょう。北海道は道南の一部を除いてほぼ全域が亜寒帯気候ということもあり、夏場でも本州に比べて涼しく快適に過ごせます。

夏の気温は道東が最も低く、8月でも平均気温は20℃前後、25℃を超える夏日になることはほとんどありません。なお、ほかのエリアでも30℃を超える真夏日になる日は数えるほどとなっています。

また、本州のほかの地域のように梅雨がなく台風の影響を受けないことも北海道の特徴です。ただし、8月と9月は年間を通して雨が多めになるため、注意する必要があるでしょう。雨を避けるなら6月や、7月上旬〜中旬頃にかけて北海道を訪れるのがおすすめです。

北海道ならではのダイナミックで美しい草原を見に、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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