最近あまり見ない「HIDバルブ」とは?

ヘッドライト フラッシュ
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HIDバルブとは、車のヘッドライトの一種です。ハロゲンランプよりも明るくて見やすく、省電力ということで、多くの車のヘッドライトに採用されていました。

しかし、最近ではHIDバルブを採用したヘッドライトは減少しつつあるといいます。

なぜ、HIDバルブは減少しつつあるのでしょうか。自動車部品販売店の担当者にヘッドライトの変遷や売れ筋傾向などの話を伺いました。

「車が誕生して間もない頃は、ローソクのような明かりで走行していたと言われています。

その後、1960年代になると、電球内にハロゲンガスを注入して発光する「ハロゲンランプ」が発明されました。非常に明るく、多くの車両のヘッドライトとして採用されたため、今でもハロゲンランプを採用した車は多く現存し、実際に走行しています。

1990年代後半になると、ハロゲンランプよりもさらに明るく、低消費電力かつ高耐久に優れたHIDバルブが登場しました。現在でもヘッドライトの主流になっているといっていいでしょう。」

筆者自身も、HIDバルブの明るさに憧れて、何度かヘッドライトを交換しました。夜になるとその違いは明らかで、まるでまったく別の車に乗り換えたかのような明るさに興奮したことを覚えています。

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LEDの普及でHIDバルブは減少傾向に

ヘッドライト

前出の担当者は「2000年代に入ってLEDが登場したことが、転換期になったと感じています」と話します。

「ヘッドライトをLED化することで、HIDバルブよりも半分ほどの消費電力で点灯できます。さらに、発光部のレイアウトがしやすくなり、デザイン性を高めたり、小型化できたりといったメリットが多くなりました。

現在ではより遠くまで照らせるレーザービームを採用したヘッドライトなども登場していますが、今現在の主流はLEDかHIDバルブになっています。

しかし、ヘッドライトを交換するために来店されるお客様のほとんどは、LEDへの付け替えを希望されます。その理由は、HIDバルブよりも耐久性が高く、価格が安くなっているためです。

LEDヘッドライトが登場して間もないころは、高価なパーツでしたが、現在では普及してきたこともあり、ものによっては数千円から1万円ほどで販売しています。

HIDバルブとの価格差がなくなってきたこともあって、LEDの方がよく売れています。」

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