屈辱を味わったル・マン参戦など、レースでも不遇

1995-1996年のル・マン24時間レースへ出場した日産 ニスモ GT-R LM

レースでも勝てないわけではないもののBNR32時代のようにライバル不在ではなく、ポルシェ911GT2やマクラーレンF1、トヨタの80スープラを相手に連戦連勝!とはいかないBCNR33は、「とことん間が悪かった不遇のGT-R」だったと言えるでしょう。

ル・マン24時間レースにも1995-1996年に「日産 ニスモGT-R LM」の名で参戦(※)しますが、「ピットウォール越しにルーフが見えるのはGT-Rだけ」(それだけ全高が高くて空気抵抗も大きい)と言われてさしたる成績も残せず、ドン臭さの上塗りをしただけでした。

(※同一車種に4ドア車があると参戦できない規則だったため、名目上は「スカイライン」の派生車ではなく「GT-R」という独立車種扱いだった)

モノ自体は決して性能が低い、カッコ悪いというわけではなく、BNR32時代と比べてロングホイールベース化とワイドボディ化、各種電子制御の最適化によって、高速安定性を含む走行性能全般は大幅に底上げされています。

レース車のルックスも無理なく仕立て上げる余地があり、ル・マンのLM仕様や、そのイメージに近づけた「LMリミテッド」という特別仕様車など今でも高値がつくほどです。

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2ドアベースで4ドアGT-R復活!

派生モデルの豊富さはBCNR33型の特徴で、スカイライン生誕40周年を記念してオーテックが作った特別仕様車、「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」(1998年1月発売)は、初代ハコスカGT-R初期型(PGC10)以来の「4ドアGT-R」。

それも4ドアセダンがベースではなく、2ドアクーペを改造して後席用ドアを追加、4ドア仕様のテールを与えるという凝った作りで、久々の4ドアGT-R復活と話題にはなりましたが、実際にはあまり売れなかったようであまり見かけません。

これは警察の高速交通機動隊用に最適だな…と思っていると案の定、神奈川県警や埼玉県警をはじめ、各地の警察で覆面パトカーや白黒パトカーで多用されており、クラウンやセドリックのセダンや30ソアラと同様、高速道路で見かけると緊張感を誘う1台でした。

初代ステージアへRB26DETTを積んだ「ステージア260RS」(1997年10月発売)も、厳密にはBCNR33派生車ではないものの、広義にはそう呼んでも差し支えないでしょう。

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