ガソリンも「安く」なる!? 車の維持費高騰でも「サイフに優しい」特典多し! カーライフで役立つ「株主優待」とは

急激な景気上昇が期待できないなか、企業の株などを取り引きすることで自身の資産運用を行うケースが増えているといいます。一方で企業側も株主に対し長期の保有をうながすため、様々な「株主優待」を用意しています。今回はクルマユーザーに最適な特典について紹介します。

カー用品店の株主優待が日々のメンテナンスにも役立つ!?

 物価高騰で、クルマにかかる維持費負担も増加傾向にありますが、税金や駐車場代、メンテナンス費用など、維持コストを軽減することは簡単ではありません。
 
 そんななか、株主になるだけでカーライフがお得になる多彩な「株主優待」制度を提供する企業があります。どのような優待があるのでしょうか。

 株主優待制度は、多くの企業で採用されています。

 企業が一定数以上の株式を保有する株主に対し、利益の還元を行う制度で、なかにはクルマの購入やメンテナンス時に使える優待や、カー用品の購入に使えるものに加え、ガソリンやレンタカーの割引になるなど、活用するとお得なものがたくさんあります。

 そこで今回はカーライフの家計の足しになりそうな株主優待についてまとめました。

 なお、以下で紹介する特典はすべて2023年5月上旬時点でのものです。詳細については、取引のある証券会社などに確認してください。

 例えば日産自動車(以下、日産)の株主優待には、株主様紹介特典制度というものがあります。

 この制度は、日産車の新車を購入する際に、紹介者である株主と株主の紹介を受けて日産車を購入した人に、それぞれ5000円分の「デジタルカタログギフト」を進呈するという優待です。

 ちなみに株主自身が日産車を購入すると、1万円分の「デジタルカタログギフト」をゲットできるということなので、日産車を購入する前に、株主になっておくのがお得です。またカタログギフトなので食品、雑貨、旅行、宿泊サービスなど様々なものを選べるのもうれしいところです。

 こうした日産の株主優待を受けるためには、3月下旬の権利確定日に100株以上の株を保有していることが条件です。

 一方、カー用品大手であるオートバックスセブンの株主優待は「オートバックスグループギフトカード」が保有株数と継続保有年数に応じて進呈されます。

 オートバックスグループギフトカードは、カー用品専門店「オートバックス」各店舗でカー用品やメンテナンスの支払いに利用することができます(燃料・保険・税金・飲食・タバコなどは対象外)。

 オイル交換や洗車用品の購入など定期的なメンテナンス費用に使えるので、カーライフのコストを低減する一助になりそうです。

 オートバックスセブンの株主優待を受けるためには3月下旬、9月下旬の権利確定日に100株以上の株を保有しており、かつ、1年以上株を保有し続けていることが条件です。

 同様にカー用品チェーン大手、イエローハットの株主優待は「株主様お買物割引券」と「商品引換券」が保有株数に応じて進呈されます。

これらの券は、カー用品専門店「イエローハット」と「イエローハット車検センター」だけではなく、系列店舗である「2りんかん」「バイク館」でも使用することができます。

 株主様お買物割引券を使うと1000円(税込)毎に300円割引になるので、最大3割引きで買物ができるほか、こちらもカー用品やメンテナンスの支払いに利用することができます(一部法定費用など対象外あり)。

 カー用品の購入のほか、バイク用品も対象となり、車検の工賃等も割引になるので、使いやすい優待割引券です。

 あわせて進呈される商品引換券は、イエローハットの店頭でウインドウォッシャー液2.5リットル1本と交換してもらえます。

 イエローハットの株主優待を受けるためには3月下旬、9月下旬の権利確定日に100株以上の株を保有していることが条件です。

 商品引換券1枚に加え、持ち株数に応じた割引券の株主優待を受けることができます。

 そのほかにカー用品を取り扱っているホームセンターなどでも、同様に株主優待が用意されています。

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有料駐車場を多用するユーザーには駐車場運営企業がオススメ!?

 ホンダの株主優待は、100株以上保有していると「Hondaカレンダー」に加え、保有年数に応じて抽選でレースなどのイベントに招待される権利が進呈されます。

 以前は「鈴鹿サーキットとモビリティリゾートもてぎの優待券」の進呈があり、筆者(くるまのニュースライター HAMATARO)も駐車券や施設割引券を活用していました。

 しかし長期保有株主への感謝の意を表すとともに、優待の魅力向上を目的として、2023年3月から優待内容が変更になりました。

 そのため、1年以上継続保有の場合、レース招待や「Enjoy Honda」(各地で行われる体験型イベント)の招待を、3年以上継続保有の場合、事業所見学会や「Honda Jet」見学会招待に抽選で応募する権利が進呈されるようになりました。

 なお、ホンダの株主優待を受けるためには、3月下旬の権利確定日に100株以上の株を保有していることが条件です。

 イベントが抽選参加な点や、長期投資のほうが優遇される点を念頭に置けば、ホンダファンにおススメの株だといえます。

 日本駐車場開発の株主優待は、同社が運営している指定の時間貸し駐車場の1日料金が30%になる株主優待券、もしくは電子チケットが進呈されます。

 加えて、同社が運営するリフトや温泉施設の割引券、長野県白馬村にあるレンタルスキー・スノーボードサービス「スパイシーレンタル」の割引券、レジャー施設「那須ハイランド」「りんどう湖ファミリー牧場」の割引券も進呈されますので、駐車場だけではなく、レジャー代もお得になる点も魅力的です。

 なお、株主優待を受けるためには、7月下旬の権利確定日に1000株以上の株を保有していることが条件です(1月下旬にも別内容での優待もあり)。

 ちなみに駐車場大手タイムズの運営会社、パーク24の株主優待は、様々な駐車場で利用できて便利でしたが、2023年5月現在は、新型コロナウイルス感染症の拡大などによる財務状況を踏まえ、当面の間中止となっています。

 廃止ではないので、業績の回復と優待の復活を期待したいところです。

 意外なところでは、保険が付帯される例があります。

 クルマや建設機械のホイールなどを手掛けるトピー工業の株主優待は、100株以上保有をすると「交通傷害保険」などが自動付帯される権利が進呈されます。

 クルマを所有していない人は交通傷害保険に加入していない場合が多く、メリットが大きいケースです。

 所有している場合には基本的に任意保険へ加入しているため、メリットは薄そうですが、廉価なネット保険などでこうした特約などが付帯していない場合には有効です。

 株主優待を受けるためには3月下旬、9月下旬の権利確定日に100株以上の株を保有していることが条件です。

 持ち株数に応じて、交通傷害保険(死亡・後遺症傷害保険:最高100万円、入院特約3000円/日)に加え、通院特約やオリジナルカタログギフトまたは社会福祉団体への寄付といった株主優待を受けることができます。