釣り道具において「仕掛」は、ロッドやリール、ルアーほど脚光を浴びるわけではないが、魚に直接触れるアイテムとして、また、仕掛の良し悪しによって釣果が左右されるなど重要なアイテムだ。そんな仕掛を扱うメーカーならではのプチ知識を、開発担当者に聞いてみる当企画。「これ知ってたらお得」「釣果アップにつながる」「釣りが快適になる」…といったアイデアを紹介しよう。

今回「仕掛の捨て方(処分方法)」について教えてくれたのは、エギングやライトゲームが大好きな清水さんだ。

【まずは分解】役目を終えた仕掛は、パーツごとに分けよう!

みなさんご存じの通り、釣りの仕掛はさまざまなパーツが組み合わさってできたモノ。パーツごとにその素材は異なる。たとえば、釣りバリは“鉄“、釣り糸は”ナイロンやポリエチレン“など、そしてオモリは”鉛“といった具合だ。仕掛が入っているパッケージまで含めると、紙やポリプロピレンといった多くの異なる素材から構成されている。
釣りのあと、(キレイなものは別だが)役目を終えた仕掛は、どのように処分するのがよいのだろうか? 清水さんにまず聞いてみた。


仕掛はパッケージも含めさまざまなパーツで構成されている

「細かいパーツで構成された仕掛は、少々面倒かもしれませんが、まず各パーツに分けるのが大切ですね。それぞれに処分の仕方も異なりますので…」と清水さん。
「各自治体にもよりますが、ハリは不燃ゴミですし、糸や仕掛を掛けている台紙は可燃ゴミ、パッケージの袋やブリスター(透明のケース)はプラゴミと、それぞれに捨て方も異なります。まずはハサミなどを使って、丁寧に切り分けるのが第一ですね」。

ハサミやペンチ、場合によってはピンセットなどを使用して、少々面倒ではあるが仕掛を各パーツに分解することからはじめよう。その際、ハリのチモト(ハリの根元部分)に糸が巻かれてあるので、丁寧に取ってあげるのも忘れずに。そして、くれぐれもハリ先は鋭いのでケガにも要注意だ。
「仕掛は何せパーツが細かいですから、切り分ける際はお盆やトレイ、タッパーの中で作業するのがオススメです。とくに子どもやペットがいる家庭では、床に落ちたパーツを誤飲しては大変ですしね」と、細かいアドバイスもしてくれた。


各パーツは細かいため、お盆やトレイ、タッパーの中で作業すると紛失の恐れがない。ハリのチモトについている糸も細かく切り分けよう

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【使えるものは再利用】使えるモノ・使えないモノに大別

細かく切り分けた仕掛は、あとは捨てるだけ……と思いきや、清水さんによるとさらにこれらを大別するという。ん!? ナゼ?
「今のご時世、大量消費の時代ではありませんから、環境のことも踏まえると再利用できるものはうまく活用してみてください。商品をたくさん買っていただきたい、仕掛メーカーでありながらの意見ではありますが…(笑)」と清水さん。ナルホド、仕掛のなかにはまだまだ使えるパーツがあるし、ただ捨てるだけではもったいない。まして、これから将来の環境のことを考えると…ということだそうだ。


捨てるものと再利用できるものに分けた仕掛。ハリは状態次第、釣り人の判断次第

清水さんによると、再利用できない(≒オススメしない)ものは「糸」と「ハリ」。糸は使えばどこかにスリ傷がついていたり、紫外線や海水による劣化が著しいとのこと。そしてハリは、ハリ先がなまっていたりサビているモノ(≒塗装がハゲているモノ)は本来の性能を発揮できない。
状態次第で、ハリ先のなまりやサビが見られない場合は水洗い(潮抜き)すれば再利用できるかもしれないが、あくまで個人の判断次第だそうだ。


塗装がハゲてサビていたり、折れているハリは残念ながら再利用できない…

一方、おおよそ再利用できるものとしては、「サルカン・スナップ」「発光玉」「ビーズ」といった小さなパーツや「オモリ」など。保管する前に潮抜きと水分をしっかり取っておくことが必須だが、繰り返し使っても問題ないそうだ。気にするとすれば、塗装がハゲていたり傷がついていたりと、見た目の問題くらいだろうか。
「見た目が美しくない、保管が面倒なくらいでパーツとして使えるものは、ぜひ自作仕掛や予備アイテムとして活用してください。リサイクルやリユースの精神でということもありますが、お財布に嬉しいですよね」。


サルカンやビーズなどのパーツは比較的再利用しやすい