アズテックが徹底的に酷評されたのは、なぜだろう?

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ラーメンと自動車デザインの好みは、ケンカの元であります…とはいえ、「史上最強レベルで醜いクルマ」とこき下ろされたらしいポンティアック アズテックというSUV、そんなにカッコ悪いクルマかな?と思うのは筆者ばかりではないようで、最近はわりと高評価。

問題は2000年という発売年、さらにファイヤーバードやトランザム、GTO、フィエロといったスポーツカーブランドのポンティアックから発売してしまったことだったように思え、これがシトロエンあたりのクルマだったら手放しで褒められていたかもしれません。

今回は「ブレイキング・バッド」で主人公のウォルター・ホワイト(ブライアン・クランストン)が乗っていた事から、クルマ好きよりもアメリカのTVドラマ好きが案外知っていそうな、ポンティアック アズテックのお話です。

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今は亡きアメリカンスポーツカーの名門、ポンティアック

古き良きポンティアックの名車、1964年型初代GTO

日本では「壮大なバブル自爆ネタ」として今に語り継がれるマツダの5チャンネル体制では、あえてマツダ以外の他ブランドで拡販すべく、アンフィニ、ユーノス、オートザム、それにフォードと別ブランドで作り分けましたが、これはアメリカだとよくある方式です。

GMでも戦前の日本に持ち込んだので馴染み深く、その後も現在までコルベットやカマロで著名な「シボレー」が代表格ですが、他にもさまざまなブランドを作っては壊し、中にはカナダ向けブランド「アスナ」のように3年ほどで終わった短命ブランドも。

しかし「ポンティアック」はシボレー同様、戦前から続くGM系列では由緒あるブランドで、クルマ好きでなくとも印象深いクルマだと、アメリカのTVドラマ「ナイトライダー」で人工知能を積んだスーパーマシン、ナイト2000のベースとかったトランザムは有名。

しかしアメ車のスポーツカーブランドはほとんどがそうだったように、1970年代の排ガス規制とオイルショックで慣れない小型化、低燃費エコ思想の間でデザインは迷走、日本車を急ごしらえで真似しきれていない珍車が続出したのは、ポンティアックも同様でした。

結果的には日本車に敗北、経営危機に陥ったGM本体を再建する過程で2010年に廃止されてしまいますが、その末期近くに販売されたのが、SUVのアズテックです。

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