「釣果アップの勘所」第8回のテーマはフカセでねらう磯のイサギ(イサキ)釣りのツボ。地域差はあるが主に太平洋側の磯では春の4月もゴールデンウイークが迫ってくると、活発に釣れ始めるイサギ。グレねらいの“他魚”“二番手”と位置づけされることも多いが、食べて美味しいイサギは積極的にねらってみる価値アリ。群れでいることがほとんどで、グレほど神経質な魚ではないためカンタンなツボさえおさえておけば入れ食いになることもしばしば。何よりも重要なのはマキエとサシエをしっかり合わせることだ。

イサギの引き味を堪能するなら
ライトな磯のフカセ釣り

「イサギは船釣り」というイメージをお持ちの人も多いと思うし、磯なら「カゴ釣りのターゲット」として古くから定着している。いずれにしてもマキエカゴを使用し、そのカゴからこぼれ流れるオキアミなどのマキエのなかにオキアミを刺したハリ(船ならサビキも)を同調させ食わせる釣りだ。
つまりイサギ釣りは、しっかり確実にマキエとサシエを合わせるのがツボなのだ。そのためマキエとサシエを合わせやすいカゴを使用する釣りが持てはやされるのである。

ではナゼ? あえて磯でフカセ釣りか? というと、釣り味は確実にフカセ釣りがカゴ釣りに勝る(と個人的には思う)から。第一にフカセのタックルはカゴ用にくらべ、随分ライトだ。それだけイサギの引きを存分に楽しむことができる。また仕掛を投げ返すたびにカゴにマキエを詰めるわずらわしい(?)作業も必要ない。(あくまで私個人の感想なので悪しからず)


このイサギは45cm。引き味最高! 食味も抜群だった

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遊動仕掛はドスンと重くする
ハリスは長めにとること

仕掛もグレ釣りの延長でよい。ただグレとは違いイサギねらいの場合は、魚がいるタナにしっかり素早く仕掛を沈めるために重めのオモリ、それに見合ったオモリ負荷の大きいウキを使うのが得策。グレほど神経質な魚ではないので、軽い仕掛にこだわる必要はない。
ちなみに私の場合イサギをねらう際は遊動仕掛で、サルカンのすぐ上に打つオモリは4B~5B以上、中通しオモリ1号を使うことも多い。


イサギねらいで使用しているオモリ負荷1号のウキ。シモリ玉、中通しオモリ1号、クッション、サルカンまでをループ状のラインに通しておくと釣り場でのセットが楽

ハリスは長めで最低でも2ヒロ。できれば2ヒロ半、足場が高い磯なら3ヒロにすることもある。マキエのなかにサシエを少しでも長く同調させるのがねらいだ。また、サシエの流れを少しでも自然に近付けるため、ハリスにはオモリを一切打たないことが多い。

イサギの活性がひじょうに高く、磯際すぐの浅いタナまで食い上がってくるようなときは別だが、磯でイサギをねらう場合は仕掛を遠投しやや深めのタナ(ハリからウキ止めまで)3ヒロ前後)で釣ることがほとんどだ。

そしてコツが必要なのが遠投した仕掛にマキエをピタリと合わせる方法だ。磯のすぐ近くで釣れる場合はウキの頭目がけてマキエを打てばよい。距離が近いのでこれはそれほど難しくない。しかし20mも30mも沖にあるウキを目標にマキエをコントロールするのはひじょうに困難なのだ。


フカセ釣りのマキエ遠投。距離が遠くなるほどコントロールが難しい

マキエのオキアミには遠投用の配合エサを適量混ぜ込んでおくと投げやすいしコントロールもしやすい