普通免許や二輪免許でどんな乗り物に乗れるか調べてみた【意外と知らない運転免許証】

■一般的な免許で、どんなクルマやバイクを運転できるのか?

クルマやバイクを公道で乗るために必須なのが、運転免許。一般的に、クルマを運転するには普通自動車免許(以下、普通免許)、バイクやスクーターに乗るためには二輪免許が必要であることはよく知られていますが、実は、これらにもいろいろと種類があったり、乗ることができる車両が異なったりします。


普通免許や二輪免許でどんな乗り物に乗れるか調べてみた

では、一体、一般的な普通免許や二輪免許を取得すると、どんな乗り物を運転することができるのでしょうか?

ここでは、通勤・通学や買い物などの普段使いから、休日のレジャーなどを楽しむためのクルマやバイクに乗るために必要な「第一種運転免許(以下、一種免許)」というタイプに絞り、免許の種類や適応車などを調べてみました。


●第一種運転免許とは?

まず、ここでいう第一種運転免許とは、自動車や自動二輪車などを運転する場合に必要な免許のことです。

免許には、ほかにも、乗合バスやタクシーといった旅客自動車を旅客運送、つまり仕事として乗るためなどに必要な「第二種運転免許(以下、二種免許)」というものもあります。なので、たとえば、仕事でタクシーやバスなどに乗る場合は、一種免許だけでなく、二種免許の取得が必要になります。

また、一種免許を取得しようとしている人が、練習などのためにクルマに乗る場合には、「仮運転免許(いわゆる仮免許)」を取る必要もあります。このように、免許には、大きく分けて3タイプがありますが、ここでは、前述の通り、一般的な一種免許に限定して種類などを紹介します。

●普通免許で乗ることができる車両

4輪車の場合、乗用車などの普通自動車や軽自動車を運転するには、「普通自動車免許(以下、普通免許)」を取得する必要があります。


乗用の普通自動車や軽自動車などを運転する場合に必要な免許が普通免許

普通免許には、さらにオートマチック車しか運転できない「AT限定免許」と、マニュアル車も運転できる、いわゆる「MT免許」の2種類がありますが、最近売られているクルマは、多くがAT車ということで、AT限定免許を取得する人が多いようです。

ただし、スポーツカーなどのMT車で、アクセルやブレーキに加え、クラッチやシフト操作で自在にクルマを操る感覚や、スポーティな走りを楽しみたい場合。そうした人がAT限定免許しか取得していないケースでは、教習所や試験場などでAT限定を解除するための技能試験などを受ける必要がありますので、念のため。


スポーツカーなどのMT車はAT限定の普通免許では運転できない

これから教習所に通って普通免許を取る人で、どうしてもスポーツカーなどに乗りたいのであれば、最初からMT免許を取るほうがいいでしょうね。

普通免許は、さらに、原動機付自転車、農業用のトラクターやコンバインなどにも乗ることができます。これは、普通免許が原付バイクなどに乗れる「原付免許」、トラクターなどに乗れる「小型特殊免許」の上位免許であるため。つまり、普通免許を取得すると、これらの免許も一緒に付いてくるのです。

●普通免許で乗れる最も大きなクルマは?

ちなみに、普通免許では、どれくらいの大きさのクルマまで運転できるのでしょうか? 実は、これは、普通免許をいつ取得したのかで変わります。具体的には、以下のようになります。

【平成29年(2017年)3月12日以降に取得】

最大総重量3.5トン未満

最大積載量2トン未満

乗車定員10人以下

【平成19年(2007年)6月2日〜平成29年(2017年)3月11日に取得】

最大総重量5トン未満

最大積載量3トン未満

乗車定員10人以下

【平成19年(2007年)6月1日までに取得】

最大総重量8トン未満

最大積載量5トン未満

乗車定員10人以下

こうした違いは、度重なる道路交通法の改正によるものです。ちなみに、昭和の時代に普通免許を取得した筆者は、最大総重量8トン未満、最大積載量5トン未満までのクルマに乗ることが可能です。


ハイエースなどのワンボックスカーには大型タイプもあるが、10人乗りまでなら普通免許で運転が可能

でも、たとえば、2023年に取得した若い層では最大総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満までのクルマでないと運転できません。また、乗車定員は、いずれの年代に取得したにしろ、10人以下となります。

では、どんな大きなクルマに乗れるかといえば、たとえば、1〜3トンの小型トラック。これらに乗り、仕事として配送業などのドライバーをやる場合は、普通免許でも可能です。

ほかにも、トヨタ「ハイエース」や日産「キャラバン」といった、ワンボックスカーも、10人乗りまでのタイプであれば運転できます。仕事で乗ることはもちろん、たとえば、ハイエースがベースのキャンピングカーなども、乗車定員が10人以下で、クルマの重さや積載量が規定以下であれば、普通免許で運転することが可能です。

●二輪免許の種類や運転できるバイクは?

一方、二輪免許の場合。これは、主に、乗ることができる排気量などにより、主に以下のようなタイプがあります。

・大型自動二輪免許:排気量の制限なし(401cc以上もOK)

・普通自動二輪免許:50ccから400ccまで

・小型限定普通自動二輪免許:50ccから125ccまで

・原付免許:排気量50cc以下のバイク


二輪免許は運転できる排気量で免許のタイプが変わる

1000ccなどの大型バイクなど、どんな排気量のモデルにも乗れるのが、大型自動二輪免許です。

また、普通自動二輪免許は、250ccや400ccまでの中型モデルに乗りたい場合に必要。

小型限定普通自動二輪免許は、125ccの原付二種モデルまでに乗ることができます。

原付免許は、これだけでも取得可能ですが、前述の通り、普通免許を取得した際にも付帯されます。50cc以下のスクーターなどに乗ることができます。

なお、原付免許を除く二輪免許には、スクーターなどオートマチック車のみ乗ることができる「AT限定免許」もあります。もし、この免許しか取っておらず、クラッチレバーやシフトペダルがあるスポーツバイクなどのマニュアル車に乗りたい場合は、限定解除が必要となるのは、4輪車の普通AT限定免許と同様です。


大型二輪免許にもAT限定がある(写真は560ccのスクーター、ヤマハ・TMAX560テックマックス)

いかがでしたか? 普通免許や二輪免許だけでも、実はAT限定免許とMT免許があるなど、実は種類や乗ることができる車両が違ったりします。

特に、これから免許の取得を考えている人は、自分が取ろうとしている運転免許で、どんなタイプのクルマやバイクに乗ることができるのかや、取得後にどんな楽しみ方ができるのかも、知っておくといいですよ。

(文:平塚 直樹 *写真はすべてイメージです)