つい忘れがち? クルマを売るときの「うっかり!」に注意! 個人情報“ダダ洩れ”な「怖ーい」リスクも!?

クルマの乗り換えでは、新しいクルマのことばかりではなく、今まで乗っていた愛車に対しても色々と気を配る必要があります。今回は、つい忘れがちな「元」愛車に対するアレコレについて紹介します。

前回の乗り換えの時のこと覚えてる!? 覚えていなかったら「確認」を!

 新年度が始まり、新生活に合わせクルマの買い替えが多くなるシーズンが到来しました。
 
 新しいクルマのことだけではなく、今まで乗っていた愛車に対しても注意しておきたいことは色々とあります。

 自動車検査登録情報協会(自検協)の統計によると、乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数は、2022年3月末で13.84年だといいます。

 10年ひと昔という言葉もありますが、前回の買い替えの時にやったことなど、10年も経てばすっかり忘れてしまっている、というドライバーがほとんどのはずです。

 そこで「乗り換えで注意したいこと」をまとめて紹介します。

 まずは「ハンコ」(実印)と印鑑証明書についてです。

 近年はハンコを使う機会が少なくなっています。なかでも実印を使う機会はあまりないため、いざという時に見つからないこともあるかもしれません。

 特に買い取り専門業者へ買い取りを依頼する場合など、名義変更のため早々に実印の押印を求められることもあります。

 ちなみに実印が見つからない場合は、役所で別のハンコを実印登録し印鑑証明をとることができますので、探しきれない場合は早々に諦めてしまう判断もアリかもしれません。

 なお実印の所在がはっきりしており、マイナンバーカードを持っている場合は、以前のように役所へ行かなくても、コンビニなどのマルチコピー機で印鑑証明書をすぐに発行できます。平日に休みが取れず役所に行けない場合などにオススメです。

 ちなみに印紙も不要で、受付の順番もなくすぐに印鑑証明書を手に入れることができるので、筆者(くるまのニュースライター hamataro)は最近毎回コンビニを利用しています。

 続いては「掃除」です。

 筆者がクルマを売却する前には必ず、隅々まで徹底的に掃除するようにしています。

 今までお世話になった愛車に対しての感謝の意味を込め、きれいに掃除して送り出してあげたいという気持ちはもちろんですが、掃除をすると思わぬ紛失物を発見することもあり、欠かせないセレモニーのようになっているのです。

 まずすべてのフロアマットを車外に出し、座席は最前部、最後部に都度移動し、普段隠れているフロアカーペットに掃除機をかけます。

 特にシートレールの間にはお菓子のカスなどの細かいゴミのほか、硬貨などが落ちている場合もあります。

 ちなみに筆者が以前8年間保有していたクルマの車内には、合計1000円以上の硬貨が落ちていました。

 クルマには、思った以上に細かな荷物が分散して積載されています。これらの確認も重要です。

 ドアのポケットやコンソール、グローブボックスはきちんと空にしても、天井のサングラスケースやサンバイザーのクリップ、荷室の床下収納部などは忘れがちなので、注意が必要です。

 書類も重要です。揃っていないと再発行の手続きが必要になるケースもあります。

 車検証やリサイクル券、整備手帳や取扱説明書など車両に積載しておくべき書類に加え、ディーラーオプションや後付けのオーディオ、ETC車載器、ドライブレコーダーなどの説明書も、次のユーザーのために書類とともに積載しておきましょう。

 意外と忘れがちなのが、普段使っていないスペアキー(サブキー)や、キーを再発行する際に必要となるキーナンバーが書かれたタグです。

 また盗難防止の後付けパーツも、事前に純正のパーツに交換しておくか、キーなどを渡せるように準備する必要があります。

 ホイールのロックナットのロックキーに加え、最近はナンバー盗難防止のための特殊な盗難防止ボルトでナンバープレートを固定している場合もあります。その場合は、付属の専用工具も準備しておきましょう。

 買い取り業者にもよりますが、細かな後付けパーツは査定の対象外となることも多く、むしろ純正状態に戻しておいた方がありがたいとの要望を受けることもあります。

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カーナビゲーションシステムは売る前にすべて「初期化」すべし!

 次のクルマでも使えるものや、個別にネットオークションなどで売れそうなパーツについては、買い取り業者に査定の対象外か確認した上で、事前に取り外しておく手もあります。

 ETCやカーオーディオ、ナビ、ドライブレコーダーなどの電子機器類は特に価値がありますが、程度が良ければフロアマットやシートカバーなどもネットオークションで売却することもできます。手間を惜しまないドライバーにオススメです。

 ちなみに筆者が愛車を売却する際、買い取り業者に「フロアマットも外しても良いか」と確認したところ、次のようなコメントが返ってきました。

「外しても構いません。買い取った車両を中古車として販売する際、ほつれたような古いフロアマットより、新しいマットを装着した方が好印象なため、あとで交換するケースもあります」

 もちろん、後付けパーツも含めてプラス評価で査定してもらえる買い取り業者に売却する場合には、その限りではありません。

 車載のカーナビゲーションシステム上には、走行履歴や自宅住所などの個人情報が色々と残っている場合があります。

 個人情報を悪用されることは稀だと思いますが、初期化したりして、万が一の事態に備えておくのが安心です。操作方法は取扱説明書に記載があるので確認しましょう。

 またドライブレコーダーを装着している場合には、同様に記録媒体を抜いてしまうのが良いでしょう。

 初期化するだけでも一定の効果はありますが、復元されてしまう不安もあるためです。

 なお近年急激に増えている、通信SIMを搭載した「コネクティッドカー」の多くは、スマホのアプリで車両情報をやり取りすることができます。

 このようなアプリでは、車両の位置情報確認のほか、エアコンやドアロックなどを遠隔操作することができます。

 多くの場合、新しいユーザーが車両登録を行えば、旧所有ユーザーの権限が外れる設定となっているため、乗り換え時に何もしなくても問題はないようです。

 しかし車種によっては、その後もアプリによってドアロックの解除などができてしまうケースもあるといいます。

 車両を引き渡した後に車上荒らしなどのトラブルが発生した場合、あらぬ疑いをかけられてしまうかもしれません。

 専用のコネクティッドアプリも、乗り換え後に削除しておくことをオススメします。

※ ※ ※

 買い取り店のスタッフに話を聞いたところ、忘れ物として共通するものがあるといいます。

 それは、オーディオユニットの中のCDやDVD、SDカードや、ETC車載器の中に入っているETCカード、そしてシートバックポケットの地図帳などです。

 いずれも隠れたところに入っていて気付きにくいため、車両を引き渡す際は特に注意して確認すると良いでしょう。