
春の訪れはとともに「花粉症」に悩まされる時期になりました。クルマに乗るときの花粉対策は、どのようにしたら良いのでしょうか。
クルマに乗るときの「花粉対策」どうする?
春の訪れは本来心躍るものですが、近年では「花粉症」に悩まされる人も多く、憂鬱な季節ともいえるでしょう。
クルマで外出する機会も増えそうなシーズンを迎えるにあたり、いまからできるクルマの対策を千葉県のI整備士に聞いてみました。
「クルマでできる花粉症対策としてのポイントは、『車内に花粉を侵入させない』『車体についた花粉を除去』『車内に花粉を持ち込まない』だと思われます」
車内に花粉を侵入させない対策として考えられるのが、エアコンフィルターの交換です。
市販品には花粉対策が施された高級フィルターが販売されていますが、通常のフィルターと比べて効果は高いのでしょうか。
「あくまでも私見ですが、高級フィルターは必要ないと思います。高級なフィルターはろ紙が厚く、逆に空気抵抗になって花粉をうまくキャッチできない可能性があります。
同様に活性炭入りのフィルターもありますが、長期間使用していると劣化して異臭を放つこともあるので、おすすめしていません」
I整備士いわく、「安価でシンプルなエアコンフィルターがベスト」なのだそうです。
花粉が飛散する時期にカーエアコンで注意したいのは、「外気導入」と「内気循環」の使い分けです。
外で浮遊している花粉を車内に取り込まないためには、内気循環のほうが良いのでしょうか。
「実際は逆です。内気循環では車内にある花粉が入った空気を循環させるだけなので、むしろ普段から新鮮な外気を取り込む外気導入モードにしておくほうが良いと思います。
花粉が取り込まれたとしても、エアコンフィルターが侵入を防いでくれます。
ちなみに内気循環の空気はエアコンフィルターを介していないということを知らない人も多いようです。花粉対策と考えるなら外気導入にすべきです」(I整備士)
走行中は外気導入を基本的としたうえで、外から異臭がする、トンネルなどで排気ガスが含まれた空気を車内に入れたくないといったときのみ内気循環に切り替えるのが良いそうです。
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ボディに付着した花粉に効果的なアイテムは?
駐車中にクルマ全体に付着した花粉への対策も必要です。本来は全部水で洗い流したいところですが、毎回洗車するわけにもいきません。
「コンプレッサーなど空気で飛ばすと逆に花粉を舞い上げてしまうのでおすすめできません。
またボディ用のウェットシートなどは花粉やホコリと一緒にボディを撫でるようなもので、意外に細かい傷が付きやすいですし、拭きムラもあります。
そうなると、昔ながらの『毛ばたき』がもっとも手軽かつ効果的に花粉を取り除ける手段といえそうです」(I整備士)
ハイヤーやタクシーの運転手が使っている毛ばたきは、ボディ表面のホコリを上手に落としてくれるアイテム。最近はマイクロファイバーを使用しているものもあり、短時間かつ効率的にボディ表面の花粉を落とすことができそうです。
「花粉対策で忘れがちなのがワイパーです。ゴム部分にはけっこう花粉が蓄積していることがあります。
走行前にウェットクロスなどで花粉を取り除いてあげるだけで、ワイパーゴムの傷みかたも変わってくると思います」(I整備士)
そして、乗員が車内に花粉を持ち込まないようにするかということも重要です。乗員の服や髪、肌などに付着した花粉を、クルマに乗り込む前に落としておく必要があるということです。
「花粉を室内に持ち込まないように帰宅時に玄関先でパタパタと服を払う人もいると思いますが、クルマも同じように、外である程度花粉を払ってから乗り込むのが効果的です」(I整備士)
また、クリーニング店のスタッフに聞いてみたところ、生地を傷めないように、上着などは脱いで遠心力や重力を使って花粉を払うのが良いそうです。
「パンツやスカートなどは、“コロコロ”などと呼ばれる粘着テープを使うと、けっこう取れます。
生地によっては手で払うことで布地を傷めてしまうこともありますし、手の油分で花粉が余計に付着してしまうこともあります。
できれば静電気防止用ブラシなども使って花粉を落とすのがベストです」
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花粉症を抑える市販薬の多くは「抗ヒスタミン薬」であり、判断力が鈍ったり眠くなるという副作用が現れることもあるため、服用したあとはクルマの運転を控えたほうが良いでしょう。
2月、3月にかけて飛散しはじめるスギ花粉やヒノキ花粉は、6月くらいまで飛散が続くといわれていますが、事前にできる限り対策をして快適なドライブを楽しみましょう。