今では当たり前に運転しているドライバーも、教習所に通っていた頃があるでしょう。車の操作や教習所の環境に慣れず、不安を抱えていた人も多いと思います。なかには「初心者ゆえの失敗やトラブル」に見舞われた経験のある人もいるかもしれません。

今回は、MOBYユーザーが応募フォームから投稿してくれた「教習所の思い出」をめぐるエピソードを紹介していきます。

「手を離してください!」原付に引き擦られるおばちゃん

©dreamnikon/stock.adobe.com

多くの場合、私たちは教習所ではじめて「エンジンのついた乗り物」の操作方法を教わります。「わずかな操作で大きな力を生じさせる機械」に戸惑いを覚える教習生も多いなか、いきなり制御不能に陥ってしまうケースが……。

「今から30年以上前、原付講習の時間に起きたことです。

原付を降りた状態で順番を待っていると、同じように近くで待っていたおばちゃんが、突然誤ってスロットルを回してしまい、原付に乗らないまま走り出してしまいました。

おばちゃんはなぜかハンドルから手を離さないので、原付と一緒にかけっこです。教官さんも教習生も、必死に『手を離して~!』と叫ぶのですが、焦っている本人の耳には届きません。

私たちが呆然とするなか、付近の教官さんが走り出しますが、おばちゃんは原付のハンドルを傾けてしまって円を描く様に振り回されて……。

結局、どうにかケガなく確保されましたが、今でもおばちゃんの乗る原付を見かけるたび、カオスになった教習所の光景を思い出します」(50代女性・会社員)

排気量50ccの原動機付自転車は、自動車に比べればパワーは小さいものの、それでも人間を振り回すのには十分な馬力があります。手軽なイメージに油断せず、取り回しにしっかり注意を払いたいところです。

(広告の後にも続きます)

「ATでも半クラできますよ」まさかね……

©hanjosan/stock.adobe.com

同じ教習生でも、車についての知識は人それぞれ。とくに、MT免許で通っている人と、そうでない人との間には、運転をめぐる「常識のギャップ」が生まれることもあるようです。

「MTで実技教習を受けているときに、教官から聞いた『半クラ』についての小話が印象に残っています。

AT限定の教習生の話なのですが、教官がその人に『ATは半クラという操作がないから、だいぶ楽なんだよ』と話を振ると、なぜかその人は自信ありげに『ATでも半クラできますよ』と答えたそうなんです。

教官は不思議に思い、やって見せるように言うと、その教習生はそっとハンドルの真ん中に手をかけ、優しいタッチで「ファンッ……」とクラクションを鳴らしたのでした」(20代男性・公務員)

半クラッチはMT車を発進させる際の要となる操作であり、多くのMT免許取得者にとって、スムーズに車を動かすうえでの大きなハードルとして認識されています。しかしここでは、「半分だけクラクションを鳴らす」という意味に解されてしまったようですね。

「スタッドレスじゃなきゃ走れない奴こそ免許返納を」夏タイヤで雪道走るドライバーの言い分