えっ、AE86スプリンタートレノの中古車が800万円?!

トヨタ博物館に展示されている、AE86カローラレビン2ドアクーペGT-APEX前期型

ついこの間まで「500万オーバー?高いな!」と思っていましたが、今や600万オーバー、800万の値札までつけられていて、このままだと1,000万の大台が…という勢いが続くAE86カローラレビン/スプリンタートレノ。

100万円台からの中古車もありますから、その差額で納得の1台を仕上げた方が良いのでは?とも思ってしまいますが、そもそもはお手頃価格で楽しめるテンロクFRスポーツで、という細かい話は、むしろ読者の皆さんの方が詳しいかもしれません。

改めて、AE86とはそもそもどんなクルマだったのか、なぜこれほど人気が出たのかを、トヨタ博物館に展示されたAE86カローラレビンの画像を交えつつ回想してみます。

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30年前、既に過去のクルマだった「ハチロク」

正面から見るとFF化されたE80系カローラの顔だが、中身は先代TE71ベースで最新エンジン4A-GEUを積むFRスポーツクーペ

「俺らが現役の頃は、中にロールバー仕込んだ特注の内装組んだハチロクで、検問にあってもノーマルですって言い張って…え?ハチロクだよハチロク、知らないの?」

1993年、19歳だった筆者(ライター・兵藤)は、引っ越しのバイトで同乗したトラックの運転手から「走り屋時代の武勇伝」を聞いていましたが、まだインターネットなどなくてクルマ雑誌を読む程度、知識などなかったので、急に「ハチロク」と言われもピンときません。

それが、トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノの中でもAE86という型式で、最後のFR車、10年前に発売されて走り屋で乗ってるヤツは多かった!つまり人気だった!と教えてくれますが、ハァそうですかとしか言いようがないのです。

何しろ、1995年に撤廃されるまで車齢11年超のクルマは漏れなく、面倒くさい1年車検を受けねばなりませんでしたから、現在の感覚では信じられませんが、「10年前に発売された古いポンコツ車で、何を盛り上がってるの?」としか思えず。

カローラレビンやスプリンタートレノはもちろん知っていますが、FFのスポーツクーペで最上級モデルはスーパーチャージャーを積むけど、1.6L自然吸気エンジン車はVTECを積んだシビックやCR-XのSiRが一番でAE86なんて眼中になく、知り合いも乗ってません。

走り屋やモータースポーツの世界にいれば「名車扱い」でも、ちょっとクルマが好きな程度の一般人には「ただの古いクルマ」でした。

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