
ある意味戦略物資 今後、より増える可能性も
とはいえ、重量物運搬車には大きな弱点もあります。それは、巨大なので隠蔽しにくいうえ移動速度が遅く、防御力もほとんどないため、砲撃や航空攻撃はもちろん、歩兵の襲撃にすら脆弱という点です。
特にウクライナの場合は、虎の子の西側製MBTを輸送中にMBTごと撃破されてしまっては元も子もありません。そのため、同車の運用に際して、ウクライナ軍がどのような防衛手段を講じるかという点も、きわめて興味深いところです。
重量物運搬車は、積載重量と積載サイズの範囲内であれば、どんな車両でも載せて運ぶことができます。ただ「レオパルト2」を筆頭にアメリカのM1「エイブラムス」、イギリスの「チャレンジャー2」と、いわゆる西側MBTベスト3を供与されることになったウクライナ軍には、トータルで300両超の戦車が集まると言われています。それに加えて、大型の装軌式自走砲や歩兵戦闘車なども続々と欧米各国から供与される予定です。
そうなると、現状の重量物運搬車の数では間に合わないとも言えるでしょう。もしかしたら「縁の下の力持ち」たる重量物運搬車の供与数も、これからうなぎのぼりに増えていくかもしれません。