今や世界的にはすっかり普通のクルマ、PHEV(プラグインハイブリッド)でなければエコカー扱いすらされないハイブリッドカーですが、最初は話題にこそなるもののさほど売れたわけでもなく、当たり前のように売れて車種も増えたのは2000年代末以降でした。

それから15年と経たぬうちに「ただのクルマ扱い」もひどいものですが、EV普及のハードルを考えれば、少なくとも日本では今後も実質的にエコカーの主役なのでは?と思わせるハイブリッドカーの、普及のキッカケとなった3台を紹介します。

トヨタ プリウス(3代目・2009年)

サイズアップで大成功、併売する旧型と組んでライバルを滅多打ち!

トヨタ プリウス(3代目)

初代、2代目と話題作りはしたものの、現実には「有名人や富裕層のエコアピール用によく売れた」だけで終わっていたプリウスですが、3代目ではエンジンを1.5Lから1.8Lへと拡大、モーターや逆に小型高回転型として、出力の余裕と低燃費の両立を実現しました。

それでいて価格アップは最低限に抑えたものの、ライバルのホンダがより安価な5ナンバーハイブリッドセダン、インサイト(2代目)をデビューさせたのに対抗し、アクアまでのつなぎとして旧型(2代目)もプリウスEXとして継続販売する念の入れようです。

まだ足回りのセッティングやブレーキの制御に難はあったものの、「動力性能と低価格は七難隠す」で、後のN-BOXなどよりよほど売れた超大ヒット作となります。

タクシーとしての使用が一般化するのもこの頃で、ハイブリッドカーはようやくイロモノ扱いから脱却、この代のプリウスは国民車のような人気を誇りました。

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トヨタ アクア(初代・2011年)

コンパクトカーもハイブリッドを当たり前にした、重要な転換点

トヨタ アクア(初代)

3代目プリウスから採用した新ハイブリッドシステム、「リダクション機構付きTHS-II」は小型化に成功しつつ高出力、高効率でしたが、さらにシステムの小ささを活かした安くてコンパクトなハイブリッドカー、アクアが登場。

1.5L版の新THS-IIを積み5ナンバー枠のコンパクトな5ドアハッチバック車で、空力性能を追求した2代目以降のプリウスに比べれば「普通のクルマ」でしたが、プリウスより大幅に軽くて小さいため動力性能は十分、プリウス以上の超低燃費で大ヒットします。

同じシステムはカローラアクシオ/フィールダー、ヴィッツ(3代目)にも搭載されますが、プリウスでは大きすぎるユーザーにも、ハイブリッドを身近にしたアクアの人気はモデル末期まで衰えません。

結局、ヴィッツから改名したヤリスを後継に廃止という噂から一点、ヤリスより一回り大きくて後席に余裕がある、2代目アクアが2021年に発売されました。

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