ドイツ人は森が好きです。

ぶらっと散歩したり、サイクリングしたり、学校のイベントやお誕生日パーティーで訪れたり、はたまた真夏の暑い日、涼を求めて‥‥さまざまな理由で森へ行っています。もうとにかく森はオールマイティーな場所として、生活から切り離せないものといっても過言ではないでしょう。

目次

森はドイツ人の精神的よりどころ
私がドイツの森を好きな理由・その1→思わぬ発見
私がドイツの森を好きな理由・その2→行者ニンニク採り
私がドイツの森を好きな理由・その3→癒しパワー
まとめ

森はドイツ人の精神的よりどころ

そもそも、なぜドイツ人が森を好きなのか?といえば、”森の国ドイツ”、”ゲルマン民族は森の民”という言葉に象徴されるように、はるか昔から森との深いかかわりがあるためです。

ドイツ人の祖先といわれるゲルマンの諸部族が森に暮らし、紀元9年トイトブルクの戦いでは、昼間でも暗い森の中、ローマ帝国軍団を壊滅させるなど、時に守られ、共生してきた森は、心のよりどころになっています。

さらに、19世紀のロマン主義を経て、森は神秘的で精神性を育む場所と言われ、ドイツの文学、詩、音楽の題材になっています。例えば、グリム童話なら、「ヘンゼルとグレーテル」をはじめ、100話近くも森が登場するお話が収録されています。

私がドイツの森を好きな理由・その1→思わぬ発見

そんな背景を知るか知らないかの頃から、一在住者でしかない筆者も森に興味を持ち始めました。

きっかけは、子どもが幼稚園で毎週森に行っていたことです。葉っぱの上でお弁当を食べたり大きな木の枝で基地を作ったり、木のほらで雨宿りをしたり、なんだかジブリ映画に出てきそうなエピソードのオンパレードで、私の方がワクワクしていました。実際森に出かけて、自分がそれを体験するわけではないけれど、子どもたちが作ったであろう基地や人のお尻のような形の木、珍しい植物など、毎度思わぬ発見があり、森にハマっていきました。

一番興奮したのは、子供たちが大好きな、”Pipibaum(ピピバウム=おしっこの木)”を見つけたとき。近寄るとセンサーが反応して、お水が出る仕掛けになっており、「木がおしっこするんだよ〜」と言っていた理由がわかりました(笑)。



<これは小さめの基地だけど、大人が入れそうな大型基地があることも!>



<手前の木が大きなお尻に見える(ような見えないような?!)>



<フランクフルトのStadtwald(シュタットヴァルド)にあるPipibaum!>



<「ヒキガエルがハイキング中なので気をつけて!ゆっくり走って!」という看板がお茶目>

私がドイツの森を好きな理由・その2→行者ニンニク採り

春になると芽吹いてくるのが行者ニンニク。ニラが入手しにくいドイツで、行者ニンニクの季節だけは、餃子やニラ玉(ならぬ行者ニンニク玉!)などを思う存分堪能することができるのです。

スーパーやマルクトで購入できますが、森に行けば、ただで採り放題!無我夢中で採り、戦利品をかかえて帰っていると、ドイツ人奥様グループに「葉っぱだけじゃなくて花の部分も食べれるわよ」とアドバイスいただきました。

そう、これって日本人だけでなくドイツ人も大好き。塩やオリーブオイルなどを合わせてペーストにするのが王道です。また秋ともなれば、きのこ狩りを楽しむ人々で賑わいます。



<行者ニンニクのドイツ語名は、Bearlauch(ベアラオホ)>



<行者ニンニクと卵を合わせた”行者ニンニク玉”>



<松の実とパルメザンチーズもたっぷり使ってペーストに>

私がドイツの森を好きな理由・その3→癒しパワー

森が好きな1番の理由は、やはり癒されること。雨上がりのある日の散歩。いつにも増して葉っぱの良い香りに包み込まれながら池のほとりへ。

ベビーカーを押すお母さん、おじいちゃんランナー、オリエンテーリング中の社会人グループなど、さまざまな人がのんびり行き交います。ベンチに座ってぼんやりしていると、鳥のさえずり、頭上を飛ぶ飛行機の音、魚が水面を揺らすかすかな音、ザックザックとランナーが地面を蹴る軽快な音‥‥普段なら気にもとめない音がダイレクトに脳に伝わってくるような、感覚が研ぎ澄まされていることに気づきました。

日々の慌ただしさを忘れさせてくれる穏やかな時間。ふと隣のベンチを見るとおばさんもボケーっと池を眺めていました。森は誰もが英気を養う場所なのでしょうね。



<和気あいあいと談笑しながら森を闊歩するグループ>



<筆者と同じくらい、隣りのおばさんもぼんやりしていた>

まとめ

森はうっそうとしていて怖いのでは?と尻込みする方もいるかもしれませんが、ドイツの森は、明るいブナの森が大半を占めており、じめっとした薄暗さはありません。

19世紀中頃に作られた森林法により、森林を管理・運営するFörster(森林官)が登場。植林する以上に木を切らないという基本事項をもとに、徹底的に森の状態を管理しているため、昔よりも森林面積が拡大し、手入れも行き届いています。野生動物が多数生息しており、早朝ジョギングしていると、シカやウサギに遭遇することも!

ドイツの森は都市をぐるりと囲むように位置しているので、わりとどこからでもアクセスしやすいのが特徴です。長旅でちょっと疲れたときなどぶらりと森に行って、大自然に包まれながらリフレッシュしてみては?

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