あの音キライなんだけど……止める方法はあるの?

車両接近通報装置は、住宅街の路地や8km/hの徐行運転が求められる大規模な駐車場の通路など、車を低速で走行をさせているときに働きます。

そういった場面では、近くを人が歩いていたり自転車が通ったりすることが多いため、車の存在を周囲に知らせる必要があるからです。

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現在は、保安基準に基づいて車両接近通報装置の搭載がマストとなっており、音をOFFにする仕組みを装着してはいけないルールとなっています。

つまり、あの特徴的な音が苦手であっても、音が出ないようにすることはできません。

例えば「アウトランダーPHEV」をはじめ、SUVタイプのハイブリッド車を揃える三菱自動車でも保安基準と同様、「車両接近通報装置は歩行者安全のための大切な装置のため、任意に停止することはできない」と公式サイト上にて説明しています。

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走行時以外で音が鳴ってしまうケースもあるが、故障ではない

また、走行時以外でも車両接近通報装置が鳴ってしまうケースがあるようです。そういった場合は、任意の操作で音を止めることができます。

千葉県で三菱車を販売する自動車ディーラー「佐原三菱自動車販売」では、YouTubeで展開しているチャンネルの動画で走行時以外でも車両接近通報装置が鳴ってしまうケースを解説しています。

走行時以外でも車両接近通報装置が鳴るシステムを採用した、三菱 アウトランダーPHEV(GN系、2021年)

例えば、2021年にフルモデルチェンジされたアウトランダーPHEVの現行・GN系では、次の条件を満たしていると車両接近通報装置が作動し、音が鳴ったままの状態となるそうです。

  • ハイブリッド車の電源を入れて「Ready」(走行可能)とする
  • シフトを「P」(パーキング)に固定する
  • シートベルトを装着しない
  • 運転席のドアが開いたままとする

これらの条件が揃った状態で、通報音を止めるには、2つの方法があります。

運転席に座っている状況で音が鳴っているときは、ブレーキペダルを踏み込み、シフトを「D」(ドライブ)か「R」(バック)に切り替えてからもう一度「P」に戻しましょう。

車外から音を止めたい場合は、車を降りる際にシートベルトをあえて装着した状態とすれば、音を鳴らさずに車外へ出ることができます。

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佐原三菱自動車販売の説明によると、停車中でも車両接近通報装置が鳴る仕組みを採用したのはアウトランダーPHEVの現行・GN系からであり、以前のハイブリッドシステムを採用している車種では使用されていなかったとのこと。

こういったシチュエーションでも車両接近通報装置の通報音が鳴ってしまうのは、走行可能な状態で車から外に出たとき、システムをOFFにするのを忘れないよう知らせる役割もあるようです。

近年は保安基準にしたがって、車両接近通報装置をOFFにできるボタンを廃止したり、社外品で通報音をシャットアウトできるキャンセラーグッズを使えなくしたりとメーカーが自主的に安全性向上を行っています。

ハイブリッド車やBEVの“キーン音 ” は故障などではなく、安全性を向上させる大切な機能のひとつなのです。

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