ハイブリッド車が近づいてくると聞こえる“あの音”

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エンジンをバッテリー発電のためだけに使い、バッテリーに蓄えたエネルギーを動力用モーターへ送って走らせる仕組みを取り入れるなど、様々なパターンが存在するハイブリッド車。

2000年代後半、トヨタ「プリウス」の3代目モデル・ZVW30系が”エコカー補助金”の恩恵でヒット商品となり、世の中へハイブリッド車が普及。電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)よりも先駆けて、「エコイズム」を築き上げた立役者となりました。

日本の自動車メーカーでBEVの開発・販売に力を入れている日産でも、「リーフ」の初代モデルでプリウスに追従。二酸化炭素の排出を減らすのが目的の「カーボンニュートラル」に対応できるBEV車種が増えつつあります。

ハイブリッド車が近くに近寄ってくると、金属を何かで引っ搔いているような甲高い音が聞こえることがあります。あの音は何の音なのでしょうか?

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“キーン音”の役割は車の存在を周囲に知らせること

”あの音”の正体は通称「車両接近通報装置」と呼ばれており、車の存在を周囲に知らせる役割があります。

しかし、ハイブリッド車やBEVの普及と同時に問題となっているのが静かすぎる走行音です。エンジン音が抑えられるあるいは無くなることで、歩行者が車両の接近に気づきにくいというデメリットがあります。

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それを解消するため、2016年、国土交通省は「保安基準」の改正に動き、「車両接近通報装置に関する基準」を取り決めました。これにより2018年以降に登場した新型車や継続して生産・販売されているモデルには車両接近通報装置を取り付けなければならなくなりました。

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