「名は体を表す」がごとく、車名がバッチリとハマり大ヒット要因のひとつとなる車名もあれば、その逆で、そもそも売れたかわからないけど、その車名でなければもう少し…という車名もあり、クルマの名付け親となるメーカー担当者は頭が痛い想いをすることでしょう。

今回は「その車名でちょっと損してしまったかも?」と思えるクルマの中から、スバル車の3台をご紹介します。

インプレッサリトナ(初代インプレッサ2ドアクーペ・1995年)

JGTCで活躍するも、リトナの名は語られず

スバル インプレッサリトナ

WRC参戦初期から活躍した4ドアセダンの「インプレッサ」、ワゴンブームに便乗して5ドアハッチバックにうまくネーミングした「インプレッサスポーツワゴン」に加え、初代インプレッサに追加された2ドアクーペが「インプレッサリトナ」。

海外向けのセクレタリーカー(女性向け通勤用クーペ。現在はSUVへと変わった)をそのまま日本でも販売したので、ラインナップはFFが1.5L、4WDが1.6Lのみで、初代インプレッサのイメージリーダー、2Lターボ搭載車がなかったためか販売不振で1996年には廃止。

入れ替わりで2リッターターボを積むWRXタイプRが登場したり、JGTCではキャロッセが4WDのGC4型リトナをベースに参戦、1998年には1勝を上げたものの、いずれもリトナを名乗ることはなく、それなら最初から「インプレッサクーペ」でよかったかもしれません。

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インプレッサアネシス(3代目インプレッサ4ドアセダン・2008年)

いつの間にか設定されていたイメージと廉価版のような車名

スバル インプレッサアネシス

2007年の3代目インプレッサ登場時、おや?と思ったのが4ドアセダンの不在。

WRXも含め全て5ドアハッチバック車で、いかにセダンが売れない時代とはいえ、保守派ユーザーや法人ユーザー向けのベーシックなセダンをあきらめるかなと首を傾げましたが、スバルとしては「とりあえず様子見」とコメント。

実際、翌年にはもったいつけたように4ドアセダンを追加、「インプレッサアネシス」を名乗りますが、インプレッサと別な派生モデルのようであり、後のインプレッサG4と違い、廉価グレードのように感じたものです。

何より元から地味なモデルなので追加された時も、それ以降も印象が薄く、前を走るアネシスを見て「あ、そういえば3代目インプレッサにもセダンが追加されたんだっけ」と思うほどでした。

後に4ドアスポーツのWRX STI(GVB・2010年)が追加された時も、ベース車のアネシスはあまり知られていなかったのでは?