車を所有する際、確認すべきことの1つが保管場所の状態です。自宅のガレージや月極駐車場など、さまざまな場所があり、地面の状態も、アスファルトやコンクリート、砂利、土など色々です。

整備工場を営む筆者が、未舗装の地面に車を置き続けることで起こることや、保管場所の環境により車の劣化を進めてしまった例を挙げていきます。

砂利や土の駐車場が車に与えるダメージとは?

車にとっては、アスファルトやコンクリートといった舗装された状態であることが、最も良い状況といえます。しかし、未舗装の場所に駐車せざるを得ない状況もあるでしょう。

アスファルトやコンクリートは、平らな地面で水はけも良いため、駐停車させるには最適な環境です。一方、砂利や土などの未舗装では車に悪影響を及ぼす可能性があります。

砂利や土は水はけが悪く、雨が降った後には水蒸気があがります。水蒸気の上がっている地面に車を置くと、下回りに水滴が付いてしまうのです。

下回りにはゴムや鉄など素材で作られた部品が多く使われています。こうした部品は水分にさらされ続けることで、劣化が早まる可能性があります。

©xiaosan
/stock.adobe.com

実際に、整備入庫した車の下回りを確認すると、ゴムの劣化やロアアームの傷、サスペンションからの油漏れなどで修理が必要な車は、未舗装の地面に駐車していることが多いです。

また、低年式の車は最新の車に比べると下回りの劣化が激しい車も多く、水や石などの影響を受けやすくなります。下回りだけでなく、飛び石や雨は塗装を劣化させて、ボディが錆びる原因にも繋がるのです。

特に、低年式の車の保管場所はアスファルトやコンクリートなどの車に優しい地面を選ぶのがオススメです。

パーキングセンサー…お前を信じてたのに!駐車場でのあるある失敗談まとめ

(広告の後にも続きます)

砂利の駐車場に車を停めざるを得ない……どうする?

未舗装の地面に駐車しなければならない場合は、砂利や石を跳ね上げないように、静かに走行しましょう。また、車はほとんどのパーツが鉄を使用しています。錆や傷による劣化を少しでも防止するためには洗車が効果的です。洗車後は水分をしっかり拭き取りましょう。

また、塩によるダメージにも注意したいもの。特に、海沿いや台風などによる潮風には、高濃度塩分が含まれています。

車のパーツは、ボディの他にもマフラーやサスペンション、ブレーキなど重要な役割を担っている部分のほとんどが鉄でできているため、海水や潮風によって車に塩が付着すると錆となります。

水は鉄と酸素の化学反応を活性化させる性質も持っています。その結果、高濃度の塩分を含む海水や潮風に当たると車の劣化が進んでしまうのです。

また、凍結防止のために散布される凍結剤には、塩化カリウムや塩化ナトリウムが使用されています。これらが付着すると、潮風と同じように車が劣化する恐れがあるのです。

@7maru/stock.adobe.com

車の保管場所は、アスファルトやコンクリートの地面の方が適しています。未舗装の地面や潮風、積雪などから車の劣化を抑えるためには、何よりも洗車やメンテナンスを欠かさず行い、車が長く良い状態を保てるように心がけるのがベストです。

また、下回りの劣化を確認して早急に対応するため、定期的なメンテナンスを行うこともおすすめです。

「車いすマーク」の本当の意味、知ってる?

人の醜さ全開?車いすマークがあれば、誰でも優先スペースに駐車できるの?

コーナーポールがあると便利なときとは?

「へたくそ棒」ことコーナーポール、実は便利なのに最近見かけないのはナゼ?

「SOSサイン」はタクシーに迫る危険を知らせる合図?

最近多い?タクシーで「空車」でなく「SOS」表示!どんな時に表示されるのか