その名はZ(ゼット)…ただしホンダのクロスオーバーSUV
ランボルギーニと同じ構造を採用することで有名な2代目ホンダ Zは、現在の軽自動車規格に改定された1998年に登場した3ドアハッチバックのスポーツカーではなく、軽クロスオーバーSUVです。
内装はホワイトメーターを採用しているぐらいで、それ以外にスポーティな要素は見当たりません。外観デザインも当時としては先進的ではあるものの、スポーツカーらしさは皆無です。
ただしリアフェンダー手前ある吸気ダクトが示すとおり、ホンダ Zはエンジンを車体中央へ縦に積んだミッドシップ車。さらに4輪駆動です。ホンダ Zがランボルギーニと関連付けられる要因は、その特殊なパワートレインにあります。
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なぜランボルギーニと同じと言われるのか
ミッドシップ4WDは、最大の重量物であるエンジンが車体重心近くにあるうえ、前輪で車を引っ張りながら、後輪にもエンジン重量が乗ることで非常に高い走行安定性が得られます。それによる高いトラクション性能も特徴であり、ミッドシップ4WDは大出力の車や、滑りやすい路面の走行のに最適なレイアウトです。
さらに、エンジンを縦に配置することで左右の重量バランスに優れ、ハンドリングも良質なものとなる傾向にあります。キャブオーバーバンに採用される例はあるものの、縦置きミッドシップ4WDは、スーパーカーやレースカー向けのエンジンレイアウトといえるでしょう。
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スーパーカーやラリーカーと同じホンダ Z
かつてトヨタは世界ラリー選手権(WRC)に向けてAW型MR2ベースのエンジン縦置きミッドシップ4WD「トヨタ 222D」を開発していました。
日産も「MID4」と呼ばれる車両の開発に着手していましたが、どちらもパワーと速度の上がりすぎにより危険とみなされたWRCグループBクラスの廃止とともに開発も中断されて市販化はされていません。
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市販車でエンジン縦置きミッドシップ4WDを採用していたのは、ランボルギーニ ディアブロVTが有名であったため、同様のレイアウトを採用するホンダ Zのイメージはランボルギーニと重ねられるようになりました。
エンジンカーの究極のレイアウトとも言える縦置きミッドシップ4WDを、軽自動車に採用してしまったのがホンダ Zという車です。