デカすぎ! 海自向け「イージス・システム搭載艦」実現するか 戦艦&空母並みの大きさナゼ必要?

乗員の居室は全て個室

 今回、「イージス・システム搭載艦」に装備される「SPY-7」レーダーは、陸上で運用することを前提に購入を決めたものですが、ロッキード・マーチンは洋上に転用しても問題なくシステムが作動するとしています。同艦では「SPY-7」とイージス・コンバット・システム(ACS)を統合したシステムを構築。日米が共同で開発した弾道ミサイル対処の迎撃ミサイル「SM-3ブロックIIA」を装備し、BMD任務に当たります。

 これに加えて巡航ミサイルや航空機といった目標に対処する迎撃ミサイル「SM-6」などや、対艦能力として射程1000kmを超える「12式地対艦誘導弾能力向上型」といった超長射程ミサイル、敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」の搭載を検討しています。ほかにも、大型の船体を生かして、中国・ロシアなどの極超音速滑空兵器(HGV)に対応する新型迎撃ミサイルを含めた将来装備品を搭載するスペースも確保します。

 乗員数は110人というのが一部報道で出ていますが、最終決定というわけではありません。ただ、艦艇乗組員が長期間、洋上勤務になること想定し、居住性を向上させるため全室個室とする方針で、従来の艦艇と比べて乗組員の数については減る模様です。

「イージス・システム搭載艦」の建造ヤードに関しては、水上艦艇を新造可能な造船会社がジャパンマリンユナイテッド(JMU)と三菱重工業グループの2社に集約されているため、イージス艦の建造実績があるJMU横浜事業所磯子工場か、三菱重工長崎造船所で建造される可能性が高いでしょう。

 2020年段階では、JMUが建造したイージス艦「まや」型をベースとする方針が示されていましたが、今後、詳細な設計を進めていくなかで、船型の変更もあり得ると考えられます。