公道で車を走らせたり、街なかを歩いていたりするとパトカーや救急車、工事車両が停まっているのを見かける人は多いのではないでしょうか。

「あれは駐車違反にならないの?」とお考えの人がいるかもしれませんが、駐車禁止区域に車両を停めていても違反の対象とならない車両があるのです。

駐車禁止エリアに停めてもOKの意外な車とは?

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国土交通省(国交省)が定める「道路交通法」では第4条「公安委員会の交通規制」に基づいて、各公安委員会・警察では駐車禁止から除外できる車両を定めています。

  • 緊急自動車(パトカーや救急車、消防車)
  • 道路維持作業用自動車
  • 選挙活動に使用されており、街頭演説などを行うための車両
  • 公安委員会が交付した「駐車禁止除外指定車標章」を掲げている車両(ゴミ収集車や工事車両)

これらは緊急事態に対応する、あるいは各都道府県にある公安委員会から許可をもらって駐車禁止の除外認定を受けているからです。

ここで注目したいのが「選挙活動に使用されており、街頭演説などを行うための車両」=選挙カーは駐車禁止の除外認定を受けられるという点。

このことに関しては、しばしばSNS上でも「選挙カーが迷惑な場所に駐車している」「あれは違反ではないのか」という声も見られます。

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迷惑な場所に駐車している選挙カー、これって違反じゃないの?

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ある自治体の公式ホームページでも、一般住民からの苦情内容が掲載されていました。

内容は「議会選挙の活動期間中、通勤ラッシュの時間帯に迷惑な場所に選挙活動用の車が停まっている。車体半分を乗り上げたまま駐車して、平然と選挙活動をしている候補者がいた」というもの。

この報告に対し、該当する自治体の選挙管理委員会の担当者は次のように説明しています。

「歩道や交差点及びその側端から5m以内の部分に選挙運動用自動車を駐車することは禁止されており、選挙管理委員会が許可することもありません。また、選挙運動用自動車も道路交通法や交通ルールは当然守らなければなりません。」

しかし、同選挙管理委員会は、「道路標識等により駐車が禁止されている場所でも、選挙運動用自動車がその目的のために使用中であれば一部規制から除かれ駐車することができます」と補足説明を加えています。

つまり、歩道など道交法で元々駐車が禁止されているエリアへの駐車は、選挙カーであっても同様に駐車禁止となりますが、駐車禁止標識のあるエリアであれば選挙活動目的での駐車は問題ないということになります。

駐車禁止標識がある、その場で選挙活動を行っているなど、一定の条件に当てはまっている場合は、駐車禁止には当たらない可能性があるのです。

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都道府県によってはあんな車も駐車違反の対象外に

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また、都道府県によっては、意外な車両が駐車違反の対象から外されるケースもあります。

例えば、千葉県警察が提示している情報をチェックすると、「郵便法に沿って郵便物の集配のため使用している車両は駐車違反除外」との明記がありました。配達業務を行っている車両でも、属している団体によっては違反とならないケースがあるのです。

都道府県によっても、違反の対象・除外などルールが細かく異なっていますが、緊急性を要する車は駐車違反にあたらないと理解すべきでしょう。

とはいえ、こういった特例があるのはもちろん緊急車両など特殊な場合のみ。一般のドライバーは、軽い気持ちで駐車禁止エリアに路上駐車をして、違反を取られたり他人に迷惑をかけないようにしましょう。

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