人気復活の兆し、「車にシュノーケル」ってどういうこと?
昨今、 SUVユーザーの間では、80年代の四駆ブームの頃に流行したカスタムがリバイバルしています。ルーフラックやグリルガード、補助灯などは、まさに四駆カスタムの王道と言えるアイテム。
そして「シュノーケル」もまたそのひとつで、昨今復活の兆しが見え始めています。
シュノーケルは、エンジンの方からA ピラーに沿って伸びています。形状は、まるで煙突のよう。「排気のために使うんでしょ」と答えた方は惜しい!実はこれ、自動車が水の中を走行する時に、吸気をするためのものなんです。
アクティビティに「シュノーケリング」というのがありますが、あのシュノーケルと一緒。水のない空間から空気を取り入れるわけです。
海外の僻地では目的地に行くのに河川や深い水溜まりの中を抜けなければならない時があります。そんな時、無改造のクルマでは四輪駆動車と言えども、エアクリーナーあたりから水を吸ってしまい、渡渉の途中でエンジンが停止してしまいます。
渡渉を前提としたクルマは、シュノーケルを装着している他、エアクリーナーボックスなどにも防水対策を施しています。
また、電気系統も水対策を施している場合もあります。空気をせっかく取り入れても、その他の部分で水が入ってしまってはエンジンが止まってしまうからです。
特にディーゼルエンジンの場合は、圧縮が高い分だけ、エンジン内に水が入ってしまうと「エンジンウォーターハンマー現象」を起こす恐れがあり、最悪の場合はヘッド部が突き抜けてしまうこともあり、大変危険です。
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シュノーケルには意外な使い道も!?
シュノーケルは、水への対策用途以外にも使います。それはホコリや砂です。
砂漠地帯で見られる、粉のようなホコリや砂をエンジンに吸い込むと、エンジンストップにつながることがあります。そこでシュノーケルの導入口を後ろに向けたり、シュノーケル頭部にエアクリーナーを別に設けることで、異物を入れないで空気だけ取り入れるようにするのです。
シュノーケルには「チャンバー」効果があるものも。これは、空気導入ルートを空気だめとして使うことで、アクセルのオンオフが多いシーンにおいてレスポンスを改善させます。
さらに、導入口が前に向いているシュノーケルは、ラムエア効果が期待できるものもありますし、さらに、通常のエアクリーナーと違い、エンジンルームから離れた場所で吸気するため、より密度の高い空気を取り入れられるというメリットもあります。
このように、渡渉時以外にも効果を発揮するシュノーケルは、戦車や水陸両用戦闘車、ディーゼル潜水艦(吸排気両方)などにも装備されています。それだけ、内燃機関にとっては吸気が大切だということですね。
ちなみに、前述の通り、シュノーケルだけ付けても水深のある渡渉ができるわけではないので、ご注意を。あくまでも雰囲気を引き立たせるドレスアップアイテムとして楽しむのが無難かもしれません。
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