ドライバーであれば誰もが避けたい交通違反。しかし実際のところ、日常的に運転するなかで「思わぬ取り締まりに遭った」という人も少なくないと考えられます。

警察庁の資料によれば、2021年の更新時講習における優良運転者(ゴールド免許)の割合は約61.6%です。安全運転を心がけていても、ふとした見落としが交通違反につながってしまうケースは少なくないでしょう。

今回はドライバーの方々に、違反の取り締まりを受けてしまった経験について話を聞きました。

あおり運転の車を避けようとしたら……

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警察庁の発表によれば、2021年中に生じた交通違反のうちもっとも検挙数が多いのは「一時不停止」であり、2位に「最高速度違反」が続きます。1年に100万件以上のスピード違反が起きているだけに、実際に取り締まりに遭ったドライバーも多いと考えられます。

「高速で左車線を100km/hくらいで走っていたのですが、前に遅い車が何台かいたので、追い越し車線に入ったんです。そうしたら、後ろからすごい勢いで迫ってくる車がいて、煽られるような形になってしまいました。

左に入ろうと思ったんですが、なかなかうまく入れるポイントが見つからず、仕方なくアクセルを踏み速度を上げました。出したことがないくらいの速度になって、急に後ろの車が離れたと思った瞬間、いきなり目の前が真っ赤になったんです。オービスを光らせてしまいました。

後日通知が届き、出頭すると、写真に写っているのが自分であることを確認された後、45km/hオーバーで免停になることを告げられました。煽られてスピードを出したと言っても、『スピードを出す以外に対処の仕方はあったはず』と言われ、泣く泣く調書にサインしました」(20代男性)

速度超過の反則点数としては、一般道で「30km/h以上」、高速道路で「40km/h以上」の場合に、一発免停にあたる「6点」が加算されます。

速い車に煽られると、冷静な判断ができなくなるケースも考えられますが、高い速度は重大事故にもつながります。煽られても速度を上げたりせず、いつもの安全運転を心がけ、無理なく回避できるポイントを探したいところです。

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制限速度の切り替わりに気づかず……

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一口に高速道路と言っても、設定されている制限速度は路線や区間によってさまざまです。なかでも都心部を走る高速道路は、ポイントによって制限速度が細かく切り替わることも少なくありません。

「首都高を走っているときに、速度違反で捕まったことがあります。あまり行かない千葉方面に用があって、帰りに湾岸線から11号線に入ろうと、有明ジャンクションのあたりを通っていたところだったと思います。

制限速度が切り替わっていたことに気づかず、それまでと同じペースで走っていたら、ちょうど緩いカーブを抜けたところにシルバーのセダンが止まっていて……通り過ぎた瞬間、サイレンを鳴らして追いかけてきました。

一瞬「え、自分が?」と思いましたが、すぐに止まり、素直に切符を切られました。35km/hオーバーで、警察からは『あと5km/h出てたら一発免停だよ』と言われました」(40代男性)

実際の交通ペースに対して、「制限速度が低すぎる」と指摘されることも多い首都高速ですが、区間によって50km/h~80km/hと制限速度が切り替わるため、標識の見落としが速度違反に直結するケースもあるようです。

急なカーブが連続する区間もあり、それまでと同じペースで走っていては危険な状況に陥りかねない箇所も多々あります。制限速度の標識をしっかりと確認しつつ、道路状況に応じた運転を心がけましょう。

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