国際法的には問題ナシ!? 中国の弾道ミサイルが日本のEEZへ着弾 では何が問題なのか?

国際法とは別の視点から見えてくる問題

 一方で、国際法的には問題ないとはいえ今回、中国は日本のEEZ内へ意図的に弾道ミサイルを着弾させており、日本の安全保障にとっては重大な問題となります。この事態を受け日本も外務省および防衛省が中国側に対して抗議を行っており、その内容はいずれも「(弾道ミサイルの落下は)日本の安全保障および国民の安全にかかわる重大な問題」であり、これを強く非難するというものでした。

 この内容からも分かる通り、今回日本政府は、中国による行動を法的な観点からではなくあくまでも安全保障上の観点から問題としており、これがひとつのポイントといえるでしょう。

 中国による演習は日本の安全保障にとって重大な問題をはらむものではありますが、これへ感情的に反応するのではなく、あくまでも理性的に対応することが必要であると筆者(稲葉義泰:軍事ライター)は思います。