近年、半導体不足で自動車生産に遅れが出ており、新車購入後の納車に時間がかかっています。
現在乗っている車を下取りに出す場合、新車納車までの期間が長いほど、下取り車に乗り続ける期間も長くなってしまいますが、このことが顧客とディーラー、双方にとって問題となっているようです。
下取り車に乗り続ける”リスク”とは?
新車購入の見積り金額には、下取り金額が含まれたほうが、値引き交渉の材料にすることができます。この点はディーラー側にもメリットとなり、「車両価格自体の値引きが難しいが、下取り車があれば…」といった話はよく聞かれます。
しかし、下取り金額は車の状態や新車登録された年式により左右されるため、古くなればなるほど価値が下がってしまいます。
つまり、下取り車に乗り続ける期間が長くなると、そのぶん車の価値が下がり、新車購入資金に充てられる金額が少なくなってしまいます。
さらに、事故に遭遇するリスクが高まるという問題も。事故で車を壊してしまったら、価値が著しく下がってしまったり、廃車にしなければならないケースも想定されます。そういった場合も、当初想定していた購入予算が大幅に狂ってしまう可能性があるでしょう。
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購入まで期間が空いても下取り額は保証してもらえる?
新車を顧客に届ける側のディーラーも、昨今は下取り車の取り扱いで悪戦苦闘しているようです。
神奈川県内のとあるトヨタ系のディーラーのセールスマンは、次のように語っています。
「新車生産が遅れて、お客様への納車も同様に遅れが出ていることで、下取り車の査定額を出すのが難しくなっています。
本来なら数ヵ月から1年先の需要を見据えて査定額を提示しているのですが、納車がいつになるかわからないため、”見切り発車”のような判断をしてお客様に金額の見積もりをお出ししている状況です。
下取り車がある場合は、購入の見積りを取らせていただいた段階での金額を納車されるまでの期間、ディーラー側で保証する方法で契約をいただいています。これは、ランドクルーザーなど長期の納車待ちとなっているお車でも同様です」
つまり、新車の納期遅れに際しディーラーは、下取り車の査定金額は現状の価値をそのまま保証する方針を取っているため、数年後の納車となったとしても下取り価格を引き下げられないのです。
さらに、下取り車がディーラー側になかなか渡ってこないことで、会社で同時運営している中古車の販売部門に物件が回ってこないという弊害も生じており、売上に影を落としているそうです。
このままの状況が続けばディーラーの運営にも影響を与え、メーカー直営ではない地場系の会社は廃業や規模縮小など苦境に追い込まれる可能性があるでしょう。
また、納車待ちの間に購入者が下取り車で事故を起こしてしまうリスクについても伺ってきました。
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「長期の納車待ちが予想できるお客様には、下取り車へ車両保険の加入をおすすめしています。
特に、人気車種やそれなりの査定金額がついている車で事故を起こしてしまうと、価値が下がるどころか廃車となるリスクがあり、新車購入にかかる金銭面の負担が増えることも考えられるからです。
万が一が起こったときの”補てん”を考えるなら、多少の保険料を負担してでも車両保険に加入しておくことで穴埋めが利きます。
通勤や通学、お出かけに下取り車を使い続けたいお客様はご自身で契約先を探されたりしていますし、当店も代理で取り扱っている保険会社のプランをご説明したりしている状況です」
せっかく有利な査定金額がついているにもかかわらず、事故で損をするのだけは避けたいもの。ディーラー側が推奨しているように、価値の高い下取り車は車両保険へ加入することで、事故で本来得られる査定金額から差し引かれる分を補えるでしょう。
人気の新車を購入する際、ディーラーへ下取り車を出す流れで話を進めるなら、車両保険の加入を検討すべきではないでしょうか。
【みんなの意見】投票受付中!
Q. 任意保険、入るべき?それとも入らなくてもいい?
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- 加入すべき
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