免許証には視力の条件がありますが、同時に視野の条件も定められています。例えば、ものもらいになって目に眼帯を付けたまま運転することは問題ないのでしょうか?普段両眼視している人が、片目で運転することについて、調査してみました。
眼帯運転でただちに検挙されるとは考えにくいが……
運転するために定められている目(視力)の条件には以下のような条件があります。
【普通車】
・両眼で0.7以上、片眼で0.3以上
・片眼の視力が0.3未満、片眼が見えない場合は、他眼の視野が左右150度以上で視力が0.7以上
【大型一種やけん引など】
・両眼で0.8以上、片眼で0.5以上、深視力検査の平均誤差2cm以内
上記の条件を満たしていれば違反にはなりません。片方の眼しか見えていない場合は、見える方の眼で0.7以上、左右の視野が150度以上見えていることが条件となります。
普段両目で運転している人が、眼帯を付けて運転した場合の違反の可能性について、警視庁交通相談コーナーの担当者に話を聞きました。
「眼帯をしていても、片方の眼でしっかりと状況を確認できて、運転に支障がなければ違反になる可能性は低いでしょう。
眼帯を付けていたことで危険な運転になってしまった場合は、片眼であることが違反に該当するかもしれませんが、これまでそうした事例はほとんど聞いたことはありません。
片眼の視力が基準を満たしていなければ違反になるのは間違いありませんが、ただちに検挙するといった事態になるとは考えにくいです。眼帯を付けていても、片眼しか見えていないとは限らないケースもありますから。」
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両眼視に慣れている人にとっては立体感が失われて危険なケースも
片眼の視力が条件を満たしていなければ違反になる可能性はあるものの、そのときの状況によって警察の対応が変わる可能性があることが分かりました。
ただ、普段両目で見えている人が眼帯を装着して運転することのリスクも知っておく必要があります。
筆者はかつて、様々なリスクを背負った状態で、運転する際の危険性などを体験する講習会*に参加したことがあります。
例えば、妊婦だったら、飲酒状態だったら、片腕しか使えない状態だったら運転にどのような支障があるのかといった体験をするものです。その中で、片眼で運転したらどうなるのかを体験しました。
*教習所のコースの中で、周囲に障害物はなく、助手席には正常な判断、危険回避が可能な安全な状況下での試験走行
左の眼を眼帯で覆って運転を開始しましたが、数分後には、眼がチカチカして、信号や標識が見えづらくなりました。
眼帯で覆った左側方の視界はかなり狭くなり、より大きく首を動かさないと安全かどうかを確認できなくなりました。明らかに両眼で見ている状況とは異なる視界となり、かなり死角が増えました。
立体感が失われることで、前車との距離感や、交差点までの距離感をつかむことは難しくなります。特に進路変更をするときは恐怖を感じました。
このことからわたしは、普段両目で見ることに慣れている人が軽い気持ちで眼帯運転をするのは危険を伴うと考えます。もちろん、メガネやコンタクトを忘れたときや、疲労で目が見えにくいと感じているときも同じです。
違反の有無に関わらず、安全を最優先し、普段の視界・視力が回復してから運転するようにしましょう。
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