北欧はじゃがいもやライ麦を主食に食べることが多い国。寒冷な気候と粘土質な地質が原因で農業が難しく、小麦の代用として栽培し始めたのが、その理由になります。

また、酪農が盛んで乳製品が多いのも特徴。長く寒い冬に備えて日持ちのする塩漬け豚肉も料理によく使います。

今回はスウェーデンの塩漬け豚肉「Rimmat Fläsk(リンマートフレスク)」を使った北欧スウェーデンの料理を、キャンプ料理向けにアレンジしたレシピを紹介します。なお、今回紹介するレシピでは、気軽に作るために日本で手に入りにくい塩漬け豚肉はベーコンで代用しています。

じゃがいもパンケーキ「ラグムンク(Raggmunk)」




スウェーデン流じゃがいもパンケーキ「ラグムンク(Raggmunk)」。

前回紹介した“フィンランドのじゃがいも入りパンケーキ「ペルナリエスカ(Perunarieska)」”とは、じゃがいもの混ぜ方や薄切りの塩漬け肉と一緒に焼く点が違います。

似た食文化を持つ北欧の国々でも、少しずつ違ったレシピが愛されているのがおもしろいですね。

そんなラグムンクは日本のパンケーキとお好み焼きの中間みたいな料理です。

材料(2人分)

じゃがいも:400g

ベーコン:100g

薄力粉:大さじ2.5くらい

牛乳:150ml

卵:1個

塩:少々

トッピングとしてベリージャムやバターをお好みで添えてください。粉類はあらかじめ軽量したものをジップロックなどに入れて持っていくと、調理の手間が減らせます。

作り方

炭火を起こしてスキレットをプレヒーティング(十分に熱した状態)しておく
薄力粉、牛乳、卵、塩を混ぜ合わせる
じゃがいもの皮を剥き、細切りにして2の生地に混ぜる。スライサーを使うと便利です。
油をひく ※バターでもOK
お好み焼きを焼く要領で、まずはベーコンをスキレットに並べ、上からパンケーキの生地をを流し込む 



ひっくり返せる程度に火が通ったら、フライ返しなどを使って生地を返してじっくり焼く
両面火が通ったら、好みの焼き目をつけて出来上がり




現地流の楽しみ方はリンゴンベリーを添えて食べること。IKEAなどに売っていますが、手に入りにくい場合、他のベリージャムでも美味しく頂けます。

ベリージャムの酸味と甘み、ベーコンの塩気とじゃがいものもちもち食感がクセになる味です。

筆者は炭火&スキレットで焼きましたが、それぞれのキャンプスタイルに合わせてガスコンロやフライパンを使って作ってみてください!

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意外な材料を組み合わせて作る「空飛ぶヤコブさん Flygande Jacob」




北欧スウェーデンの伝統的な家庭料理は「ヒュスマンスコスト(Husmanskost)」と呼ばれており、豚肉やじゃがいも、穀物などを使う素朴な味わいなのが特徴です。

近年ではヒュスマンスコストだけでなく、北欧では取れない農作物や調味料を使った家庭料理も多く出てきています。今回紹介する不思議な名前の料理「空飛ぶヤコブさん(Flygande Jacob)」も近年できたレシピ。

航空会社で働いていたヤコブさんが70年代に考案し、伝統的な家庭料理ヒュスマンスコストの範疇におさまらない変わった組み合わせの料理として今ではスウェーデンで人気の家庭料理の一つだそうです。

奥さんが不在の時に子どもたちのために料理を作る際、冷蔵庫にあった熱帯地域原産のバナナ、塩漬け肉、鶏肉、生クリーム、チリソースを全部混ぜてオーブンで焼いて作るグラタンのような料理で、バナナの甘みが意外な美味しさを引き出す一品です。

「北欧×熱帯のフルーツ」という意外な組み合わせが新しい味を生み出しました。

材料(2人分)

鶏もも肉:250g

ベーコン:70g

バターピーナッツ:50g(好みに応じて調整してください)

バナナ:1/2本

チリソース:50ml

生クリーム:100ml

チリソースがなかなか手に入らない場合、ケチャップとタバスコ数滴でお好みの辛さに調整したソースで代用可能です。

下ごしらえ

鶏もも肉をひと口大、ベーコンは2cm幅にカットしておく。あらかじめ自宅でカットし、ジップロックなどに入れて持っていくとキャンプでの調理の手間が省けます。

バナナは1cm幅にカットしておく。色が変わるのでバナナは調理直前にカットするのが良さそうです。

作り方

炭火を起こしてダッチオーブンをプレヒーティングしておく
油をひいて鶏もも肉を炒める ※バターでもOK
鶏もも肉に焼き目がついてきたらベーコンを加えてさらに炒める ※後でじっくり火を通すので、色が変わる程度でOK

チリソースと生クリームをダッチオーブンに入れてよく混ぜる

カットしたバナナを加えて軽く混ぜる
ダッチオーブンの上から加熱するために炭をのせ、10分〜15分火を通せば完成です

この意外な組み合わせの料理ですが、バナナの甘みがいいアクセントになって美味しくいただきました。ただ、バナナの存在感が強いので、入れ過ぎには注意が必要。好みに応じてバナナの料理を調整した方が良さそうです。

ちなみに、筆者は個人的に、バナナの形が崩れるまで火を通すのが好みです。




生クリームとバナナのおかげでチリソースの辛味がマイルドになりますが、しっかりと味がついているので主食パンやご飯と一緒に食べるのが良さそうです。

筆者は白パンと一緒に食べてみましたが、白いご飯の方が合いそうだな、と思いました。

今回はキャンプで作るので生クリームをそのまま流し入れましたが、ホイップしてからチリソースと混ぜて焼き上げるレシピもあるので好きな方を作って、キャンプでスウェーデン気分を味わってみてください!