なぜ「運転免許証」1枚で本人確認出来る? 保険証や年金手帳よりも最強な「公的書類」になるワケ

本来、運転免許証とは自分がクルマやバイクを運転する資格を持っていることを証明するものです。では、なぜ運転免許証が本人確認の書類として有効なのでしょうか。

運転免許証はなぜ本人確認として有効なの?

 何らかの手続きで本人確認ができる書類の提出を求められたとき、運転免許証を提出した経験がある人は多いでしょう。
 
 本来、運転免許証とは自分がクルマやバイクを運転する資格を持っていることを証明するものです。では、なぜ運転免許証が本人確認の書類として有効なのでしょうか。

 運転免許証は、道路交通法の第84条によって「自動車及び原動機付自転車を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許を受けなければならない」としていることから、クルマを運転する人であれば確実に所持しているものです。

 運転免許を受けずに運転すれば、同法第64条によって規定された「無免許運転の禁止」によって、刑事罰として3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられ、行政処分として違反点数が25点加算されます。

 そんな運転免許証が本人確認で有効とされる理由のひとつとして、運転免許自体が国家資格であることが挙げられます。

 国家資格は、法律で設けられた規制によっていくつかの種類に分けられており、文部科学省は国家資格を「国家資格とは、国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格」としています。

 資格の種類によって取得する難易度も変わる国家資格ですが、運転免許はもっとも取得が簡単かつ、もっとも所得者が多い国家資格ともいわれています。

 内閣府の発表によると、運転免許を保有している人は2019年時点で8216万人いることが明らかになっています。

 さらに、運転免許証とは、道路交通法によって規定された各都道府県の公安委員会によって発行される公的な文書です。

 免許証には、本名だけでなく住所や生年月日、保有する運転資格などが記載されており、2007年からは埋め込まれたICチップによって本籍が登録され、さらには規定された方法で撮影された顔写真も確認することができます。

 そもそも本人確認とは、いくつかの手段によって、行政機関や事業者が申請者や顧客と行政手続きおよび民間取引をおこなうのに際し、架空の人物でないことに加え、他人のなりすましではないかを確認する行為です。

 このことから、本人確認には高い信頼性を持った公的機関発行の書類の提示を求められますが、その点、運転免許証は、公安委員会によって発行され、顔写真含む個人を特定するための情報がほとんど記載されているため、本人確認書類として高い信頼性が担保された有効な書類であるといえるのです。

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運転免許証は便利だけど逆に困るユーザーも…

 本人確認書類として多くの人に活用されている運転免許証ですが、そもそも、普通車の免許取得は18歳から、普通二輪車は16歳からとなっており、それ以下の年齢では取得することができません。

 また、それ以上の年齢の場合でも、生活環境や金銭面の問題で運転免許証取得していないという人も一定数いるでしょう。

 本人確認書類が必要なシーンにおいて、運転免許証を保持していないユーザーは、困ってしまうこともあるかもしれません。

 SNSでも「運転免許証の依存度高すぎる…ないと困る場面が多すぎる」「運転免許証持ってないと色々不便」という声が多く、運転免許証がないことで不便を感じているユーザーも多いようです。

 また、運転免許証を保持していないとある20代の大学生は、日常生活において、運転免許証がないことによって困るシーンが多々あるといい、以下のように話します。

「運転免許証を持っていないことで困った経験は結構あります。身近なところでいえば、好きなアーティストのライブやコンサートが挙げられます。そのときは学生証を渡すことでなんとかなりましたが…。

 さらに困ったことでいえば、クレジットカードの作成ですね。本人確認書類として、運転免許証があればそれ1枚だけでよかったのですが、あいにく持っていないため、マイナンバーカードとパスポート、または保険証など、いくつか用意しなければならないのが非常に面倒でした」

 アーティストのライブやコンサートでは、チケットの転売防止対策という観点から、“そのチケットの購入者が本人かどうか”を確認するために、本人確認書類の提示を求められる場合があります。

 運転免許証は、前述の通り、名前はもちろん、顔写真や住所などほとんどの個人情報が記載されている書類であることから、こうした身近な本人確認にもよく活用されていることがわかります。

 一方で、運転免許証以外で本人確認をする場合、健康保険証や住民票、国民年金手帳などを使うケースが考えられます。

 しかし、これらの書類には顔写真が載っていません。そのため、手続きの内容によっては本人確認を厳正におこなうため、顔写真入りの書類や2点以上の書類を追加で提出しなければならない場合があります。

 一方、運転免許証であれば、その信頼性の高さから、追加で書類の提出を求められることもほとんどないようです。

 これは、運転免許を自主返納するなどしたのち、申請して取得することができる「運転経歴証明書」でも同様です。

 2012年4月1日以降に交付された運転経歴証明書は有効期限もなく、本人確認書類としてパスポートやマイナンバーカードと比較しても遜色ない信頼性を持っています。

 そのため、免許証の偽造や不正取得には重い刑事罰が規定されています。紛失した際には、悪用されてしまう可能性もあるので、運転するときには忘れず携帯し、紛失したり落としたりしないよう丁寧な取り扱いを心がけたほうが良いでしょう。

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 ちなみに、2022年3月4日に閣議決定された、道路交通法の改正により、希望者は、マイナンバーカードに運転免許にまつわる情報を記録できるようになります。

 この取り組みは、2024年度末の開始を目指して進められており、今後の本人確認書類としての運転免許証やマイナンバーカードなどの動きにも注目です。