ディーゼルエンジンを積んだ日産・GT-Rが参戦。フォード製エンジンで黒煙を吐きながらパイクスピークを爆走

■その心臓部には、フォード製ディーゼルエンジン


2010年式日産GT-Rが黒煙を巻き上げながら疾走する。こういった光景もパイクスピークならでは

1916年の初開催以来、世界大戦の影響などで開催できなかった時期もありましたが、2022年の大会で無事に100回目の記念大会を開催することとなったパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(通称:パイクスピーク)。

日本でもモンスター田嶋選手が活躍する等のニュースでご存知の方も多いと思いますが、アメリカ・コロラド州にある標高4301mのパイクスピークという山の頂上へ誰が一番速く駆けあがることができるかを競うイベントとなっています。


2010年式日産GT-Rが黒煙を巻き上げながら疾走する。こういった光景もパイクスピークならでは

標高が高いため、頂上に近づけば近づくほど、空気が薄くなり、そのため内燃機関車は出力が30%近く落ちてしまいます。また、その薄い空気をできるだけ活用したいということで、巨大なウイングを装着する独特の車両が多く参戦しています。

また、変わった車両が登場するのもこの村祭り的イベントの魅力のひとつです。

そこで、今回はこの100回記念大会に登場した73台の内の一台、日産GT-R(R35)を紹介しましょう。

●日産R35GT-R+フォード製ディーゼルエンジン


2010年式日産GT-Rが黒煙を巻き上げながら疾走する。こういった光景もパイクスピークならでは

この2010年式日産GT-R。もちろんゼッケンは23。エントリーはエキシビジョンクラスです。そして。ボディサイドに貼られたエンジン種別を表すステッカーは「G」ではなく「D」なのです。

そう、エンジンはガソリンエンジンではなく、ディーゼルエンジン、トラック用の6Lディーゼルエンジンにスワップした車両です。そのエンジンはピックアップトラックのフォードF350用ということで、タイムアタックのディーゼルクラス参戦用に仕立てた一台だということです。


OSKオートモーティブが製作したマルティーニカラーのポルシェ993カレラ2Sの現オーナーだと嬉しそうに話してくれた

このマシンのドライバー、コール・ポウェルソン選手は、これまでに7度このパイクスピークに参戦の経験があります。2014年から日産GT-R(2009年式)で参戦を開始。そこから常に彼はゼッケン23を付けています。が、そのときはもう一台のガソリン仕様GT-Rでの挑戦でした。

そのデビュー年の結果は12分00秒877のタイムで「タイムアタック1」クラス8位。2016年も日産GT-R(2010年式)で「アンリミテッド」クラス8位(10分57秒007)、2017年も同クラスに参加。残念ながらこの年は天候の影響でショートカットとなってしまいました。

ここ2年ほどはGT-R以外の車両で参戦をしていますが、彼のもう一台のガソリン仕様のGT-Rは、一昨年にこのパイクスピークに友人が参戦。今回は、まだパイクスピークに参戦をしていないこのディーゼル仕様を持ち込みました。


ATのシフトゲートには3速の表記

その車両は、フードからはみ出してしまうディーゼルエンジンから伸びるエキゾーストがサイドにも露出されており、迫力満点。

コクピットを覗くと、いわゆるレーシングマシンと変わらない雰囲気でした。ただ、シフトレバーがドライバーの左側(つまりフロントドアとシートの間)にあり、そのゲートは普通のAT車と同じ(トラック用の3速ATのようで、P/R/N/D/2/1という並びではなくP/R/N/3/2/1となります)。

ステアリングにはパドルが付いており、シフトを「3」に入れたらパドルでシフト操作をするそうです。

(文・写真:青山 義明)