危険な「コンビニワープ」はなぜ捕まらない? 急ぐ時ほど「慌てないコト!」 施設側の有効な対応策とは

交差点などの角地にあるコンビニなどの駐車場を通り抜けてショートカットする行為を「コンビニワープ」と俗に呼びますが、道路交通法違反として取り締まることはできるのでしょうか。

コンビニワープは違反として取り締まることはできるの?

 信号のある交差点沿いに面したコンビニエンスストア(以下、コンビニ)の駐車場を利用して通り抜ける「コンビニワープ」。
 
 大抵の場合、駐車場内を徐行以上の速度で通過することもあり、悪質で危険な行為として問題となっていますが、このコンビニワープは道路交通法違反として取り締まることはできるのでしょうか。

 通常、クルマは進行方向の信号機に従って通行しなければならず、目の前の信号機が赤の場合は停止が義務付けられています。

 しかし、信号機の直前にある角地のコンビニなどに寄る際には、信号機の停止線の前であればそのままコンビニの駐車場に入ることが可能で、その後交差点で右左折を予定していた場合にはそのまま先の道路に出ていくことができます。

 その一方でコンビニワープとは、コンビニに寄らずにそのまま駐車場をショートカット路代わりに右左折することで、最短距離により先の道路に出ていくことを指します。

 通り抜けるのはコンビニに限らず、交差点の角地にあるスーパーやガソリンスタンド、ファミリーレストランなど比較的広い駐車場や施設も対象となっているようです。

 とくに用事などで急いでいる人のなかには、赤信号の時間が待ちきれず、スピードを落とすことなく駐車場を横断するケースも多いようで、非常に危険で迷惑極まりない行為といえます。

 SNSでも「コンビニ入ろうとしたらクルマがコンビニワープで突っ込んできて、はねられそうになった」「うちの近所、1日1台はコンビニワープするやつ見かける」など、多くのユーザーがコンビニワープに困っている様子がうかがえます。

 同様に、都内のとあるコンビニのオーナーは、コンビニワープについて「本当にたまにですが、ショートカットをしてうちの駐車場を突っ切って走行するクルマは見かけますね。ここの駐車場は結構広いのでそういった行為がしやすくなっているのかもしれません」と話します。

 では、このようなコンビニワープですが、違反として取り締まることはできるのでしょうか。

 首都圏の警察署の交通課担当者は「そういった類のショートカットは道路交通法では取り締まれないのが実情です。コンビニやガソリンスタンドの駐車場などは道路の扱いにならないため難しいです」といいます。

 基本的にコンビニやスーパーなどの駐車場は私有地の扱いになるため、道路交通法違反で取り締まることは困難です。

 しかし、私有地であることから店舗側の意図に反する侵入であるとして、刑法第130条「住居侵入罪」に当たる可能性があります。

 刑法第130条「住居侵入罪」では、以下のように説明されています。

「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する」

 また、コンビニワープは、刑法第233条「信用毀損および業務妨害」に該当するおそれもあります。

 刑法第233条には「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」とされています。
 
 コンビニワープが頻繁におこなわれることによって、その店舗の売り上げや利用者数に大きく影響があった場合には、刑法第233条に反したとして、罰せられるかもしれません。

 悪質で迷惑極まりないコンビニワープですが、有効的な対策はあるのでしょうか。

 前出の交通課担当者は「対策はなかなか難しい」としつつ、「そういった行為が頻繁におこなわれるコンビニやスーパーなどの店舗では『ショートカットをしないでください』というような張り紙を貼って注意喚起している店舗もあります」と話します。

 同様に「通り抜け禁止」と駐車場の道路上に表示し、コンビニワープを防止するという策を取っている店舗もなかにはあるようです。

 別の場所では駐車場内にオレンジポールを設置することで物理的にコンビニワープを防止する対策をおこなっているところも存在します。

 そのほか、最近では防犯カメラを長時間駐車とコンビニワープの両方に対しての抑止力として駐車場に設置している店舗も見受けられます。

 新たに防犯カメラを設置したコンビニのスタッフは「防犯カメラはもともと店内だけでしたが、以前に駐車場での接触事故などがあったことから設置しました。通り抜け対策の効果に関しては期待してませんでしたが、防犯カメラ設置後は減っていると思います」と話しています。

 このように、看板での注意喚起や物理的な柵やポール、そして防犯カメラなど店舗側がコンビニワープのできない状況を作り上げることが現状での最善の策といえるかもしれません。

※ ※ ※

 前出のコンビニオーナーは「このコンビニに面している交差点は、クルマや人通りが非常に多く、大変危険なので控えてもらいたいです」と注意喚起を促しています。