自動車の購入は、人生でも有数の「高い買い物」になります。数百万円を支払い、その後何年も乗っていくわけですから、後悔しない車選びをしたいところです。

しかし、とりわけ新車を購入する際に迷うのが「オプション」の存在です。オプションの要不要はなかなか試乗だけでは見通せず、「便利そうだけど、高いお金を追加で支払うほどのものなのか……」と悩むことも多いでしょう。

今回は「オプションで後悔した経験」について、ドライバーの方々に話を聞きました。

試乗車には標準装備だったのに、購入したグレードには……

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車のオプションといえば、やはり「カーナビ・オーディオ」が真っ先に思いつきます。インタビューでもナビ・オーディオをめぐる後悔が多く聞かれました。

「オプションのスピーカーシステムを入れておけばよかったと思います。試乗した上級グレードには標準装備だったので気にならなかったのですが、購入したグレードにはオプション設定で、いざ音楽をかけてみると音がこもっていて。そんなにこだわりのある方じゃないんですが、結局社外品を取り付けました」(40代男性)

音質にこだわりがなくても、標準装備のスピーカーの音が悪ければ、ドライブの気分にも影響してしまうでしょう。試乗用の車両には上級装備が設定されているケースも多いため、「自分が買おうとしているグレードではどうか」をチェックしておきたいところです。

さらに、ミニバン系の「定番オプション」をめぐる後悔も。

「リアシート用の天井モニターを付けておけばよかったと思います。アウトドアが趣味なのでミニバンを買ったのですが、そのときは子どもがいなくて、『後ろのモニターは所帯じみていてイヤだな』と思っていました。

子どもが生まれてから映像に助けられることが多くて、運転席の後ろにモニターを付けたんですけど、後付け感が強くてしっくりこないんですよね」(30代男性)

トヨタ・アルファード/ヴェルファイアに設定される「リヤシートエンターテインメントシステム」の13.3インチモニター

後席用のフリップダウンモニターは、多くの場合社外品の後付けも可能です。しかし、天井の加工が必要な場合もあり、取り付け工賃が膨らんでしまったり、スッキリ配置できなかったりといったリスクも考えられます。

また、純正のフリップダウンモニターは需要も大きいことから、下取り時には査定アップの要因となるケースもあるようです。

なかにはアルファードなど、オーナー間では「査定アップの必須オプション」とされている車種も。後付けの煩雑さやリセールを考えると、迷ったら付けておいて損はないのかもしれません。

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最初から「付けたい」と言っていた妻。言うこと聞いときゃよかった……

車のオプションには、利便性や快適性を高めてくれる装備も数多く設定されています。しかし便利な機能でも、「実際にどれだけ使うか」「価格に見合った満足が得られるか」を見通すのは簡単ではありません。

「一番は、ハンズフリーでスライドドアを開閉できる機能ですね。妻は最初から『付けたい』と言っていたのですが、私は『なくてもワンタッチで開くし、値段も高いし』と否定して、結局付けなかったんです。

実際に乗っていると、雨の日の買い物とか、『付けときゃよかった』と感じるシーンが多々あります。その件では妻に頭が上がりません」(30代男性)

ホンダ フリードのハンズフリースライドドア

足をステップの下に入れるだけでドアを開けられる機能は、「ハンズフリースライドドア」などと呼ばれますが、やはり子育て世代を中心に人気のオプションです。車種によっては後付け製品も展開されているため、選ばず後悔している人や、オプション設定がなかった車種に乗っている人は検討してみてもいいでしょう。

さらに、購入前には気づきにくい細かなポイントについての後悔も。

「前は小さい車に乗っていたので、リアカメラの視界を気にすることはなかったんですが、大きめのSUVに乗り替えてリアカメラの映像をよく見るようになりました。

画質があまりよくなくて、晴れている日にはいいんですが、雨が降るとまったく見えず……カメラに付いた水滴を吹き飛ばす装置を付けておけばと後悔しています。ネットの口コミ掲示板なんかだと必須オプション扱いされていて、ちゃんと調べておけばよかったですね」(20代男性)

オプション選択の際には、実際のオーナーによる「生の声」が参考になることも多いでしょう。後付けできないオプションも多いため、購入の際には入念な下調べのうえ、後悔しない選択をしたいところです。