運転に慣れていないドライバーにとって、ドライブの鬼門となるのが「駐車」です。「道路はスムーズに走れるけれど、駐車だけは苦手」という人も少なくないのではないでしょうか。

まだ感覚も掴めていないのに、スペースが狭かったり、配置が難しかったり、やたらと混んでいて焦ってしまったり……さまざまな環境で臨機応変な対応を求められる点が、駐車の難しさかもしれません。

今回はドライバーの方々に、「駐車場」をめぐる失敗談について話を聞きました。

パーキングセンサー…お前を信じてたのに!

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運転動作のなかでも、バック駐車はとりわけ「視点移動」の大きな操作です。現在ではバックカメラやアラウンドビューモニターを装備する車も増えていますが、それでも直接、前後左右を適宜確認しなければいけない状況は多いでしょう。

「一方に気を取られているうちに、別の箇所をぶつけてしまう」というパターンが、駐車の失敗にはつきものです。

「コンビニの駐車場で、輪留めがあると思って下がっていたら、輪留めがなくそのままポールにぶつけてしまったことがあります。微妙に曲がっているのが気になって、最後までサイドミラーの方を注視していたんです。

勢いはさほど出ていなかったのですが、バンパーがベッコリ凹んでしまって交換になりました。ポールも塗装が欠けてしまって、それでも責任者の方は同情して許してくれました」(20代男性)

こうした失敗を防ぐうえで心強いのが、障害物を事前に知らせてくれるパーキングセンサーの存在です。しかしもちろん、センサーも万能ではないため過信は禁物。

「通路が狭い立体駐車場で、停めたスペースの左側に柱がありました。用事を終えて出ようとしたら、向かいの左前に停めてあった車の鼻先が線をはみ出していて。一方通行で左側にしか出られなかったので、出られるかギリギリの感じでした。

右前のセンサーがビービー鳴っていたので、ちょっと戻って、ハンドルを切り増ししたら、柱を巻き込んでしまいました。警告音とは違う方向からいきなりガリガリガリって音が響いて、心臓が止まるかと思いました」(40代女性)

多くの場合、接触を予防するためのセンサーは車体の前後方に取り付けられているため、側面に迫る障害物に対しては機能してくれません。やはり自分の目で確かめることを基本に、見えないところをカメラやセンサーで補ってもらう、という意識が大事なのだと思われます。

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後続車がいてさらにパニック!とりあえず落ち着いてくれ……

駐車において最大の敵は「焦り」です。インタビューでも、「普段とは違う精神状態」に起因する失敗談が聞かれました。

「免許取り立てでショッピングモールの駐車場に行ったんですけど、立体で微妙に傾斜していて、感覚が掴めず何度も切り返す羽目になってしまったんです。

休日で後ろに車が4台くらい並んでいたんですけど、『ヤバい』と焦るほど混乱して、どっちに切ればどっちに進むのかわからなくなってしまいました。

先頭にいた方が痺れを切らして降りてきて、怒られると思ったら『代わろうか?』って。ビックリして固まっていたら、『じゃあ見てるから』って誘導してくれました」(20代男性)

万が一を考えると、見知らぬ人に運転を任せることは得策とはいえません。とはいえ誘導役を買って出てくれた方の思いやりは、焦っている状況では特別ありがたく感じられたようです。