キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容はDRIMOからの引用・参照です


車検を機に始めた愛車E25型キャラバンの居室(本来は荷室の部分)の大改装。

当然四六時中この作業にかかりっきりでいられるわけではないし、時間の取れる日が雨天だったりで、工事を始めてからかれこれ一月経ってしまった。

しかし、床を木の板に張り替え、天井と側壁の張り替えまで終了したので、残すところは仕上げのような工程のみ。

今回の記事では、実際の工程の説明より、どんな風に仕上げていったのかを紹介したいと思う。

既成概念を打ち破った発想

いきなり完成写真を披露してしまったら面白くない感じもするが、これが今回の内装工事が概ね終了して、常備品のような物を殆ど何も積んでいない車内の様子だ。

車中泊仕様車と言いながら、見ての通りベッド(寝台)がない。

今回の大改装で重視したことは掃除をしやすくする(砂を掃き出しやすくする)ことと、より居心地の良い空間にすること、そしてベッドを撤去することだった。

当たり前だけど快適に寝られるようになっていなければ車中泊仕様車と言えない。

そして、VANを車中泊仕様に改装すると言えば、普通に思いつくのはまずはベッドを設えることだ。

なのに何故ベッドの撤去?と思われるかもしれない。

VANで車中泊をするようになって20年以上経ってしまい、この車を使うようになって6年。

私もこれまで車中泊仕様の車はベッドがあることが当たり前のように考えてきた。

そして、この車は買ってすぐにベッドを設えてしまったため、実はガランとしたノーマルな荷室の状態で使った経験が殆どない。

しかし、最近車中泊に使う車には本当に作り付けのベッドが必要で、本当にそれが便利なのかといった基本的な疑問が湧いてきた。

何故なら、第一に私は車中泊はするが、この車の中に住んでいるわけではない。

そして、中で寝るより、実際には大きな荷物を積む機会の方が圧倒的に多い。

室内高があって平らな床が広い方が当然ながら荷物は積みやすい。

また「ベッドの下の収納庫」は効率の良いことと考えられていて、それも間違いではないのだが、実際使ってみるとこのベッド下の収納庫というやつは決して使いやすいものでもない。

使うスタイルにもよるのだろうが、少なくとも私はあまり使いやすいとは思えず、使用頻度の低い物を床下に仕舞っていた。

出し入れが面倒臭いと、そこに仕舞った物はあまり使わなくなる。

裏返せば積んでおかなくても良いようなものを常時積んでしまうことにもなる。

挙句、何が入っていたのか忘れてしまうような始末だった。

それでふと思いついた。

床に板を張って平らにし、そこに直にマットを敷くか、コットを置いて寝れば良いのではないかと。

床下収納はなくなるが、コットの下にも荷物は置けるし、片面を床から天井まである棚にしてしまった方が、床下収納よりずっと使い勝手は良い

そして、コットなら外に持ち出して昼寝をする時にも使うことができる。

また、イスだと座れる人数が決まってしまうが、平らな床に直に座るなら定員はない。

雪山に張ったテントや、若かりし頃の友人の四畳半のアパートのような過密状態とは言わないまでも、イスのない平らな床にしておけば、天気の悪い夜は寝るまで(この中で寝られる人数は2名程度までだが)皆でこの中で過ごすことができる。

以上が今回の大改装のコンセプトであり、作り付けのベッドをやめた理由だ。

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コットを置くと

「ほぼ常備品」のような荷物も積んでコットを置くとこんな感じになる。

コットの頭の下に置いてある黒いコンテナボックスは高さが34cm。

これくらいの高さの物を下に置いても頭の下の部分なら問題ない。

沈み込む胴体下の部分も、もう少し低い箱や衣類などを入れたバッグなどを置くのなら全く問題なさそうだ。

少なくとも私はその方が床下収納より使いやすいと思う。

因みにこの黒いコンテナボックスは調理器具入れだ。

調理器具は車内でも車外でも使うものなので、棚に仕舞うのではなく、こういった持ち運びのできる箱に収納することにした。

また、テーブルやスツール代わりとして使うことができるし、非常に頑丈なので、屋根に物を積む時の踏み台としても使える大変便利な箱だ

サイドドア側から見るとこんな感じ。

結構広々している感じだ。

夜に寝心地はどうかと試しに寝転がってみたら、知らぬ間に1時間くらい居眠りしていた。

上出来であることの証だ。

入り口付近で目立っている箒の横の横にかかっているオレンジ色の布はカーテンのようにも見えるがそうではない。

レインジャケットだ。

入り口付近に雨具の定位置があれば便利だと思い、ここにかけて置くことにした。

これで突然の雨でもどこに置いたか忘れることもないし、入り口付近なら室内を濡らすことも最低限に防げると思う。

コットを畳んだ寛ぎモード。

クッションとお膳みたいなIKEAのベッドテーブルが生活感と言うかちょっとしみったれた感を醸しているが、実際に旅に出たらもっと生活感が漂ってしまいそうでもある。

コットなしで、こうやって直接床にマットを敷いて寝るのも良さそうだ。

これはシミュレーション的に無理やりコットを置いてみただけだが、いずれはこうやって後部座席を利用して設置のできる二段ベッドも作ろうかと思っている。

こうなっていれば、床に寝る人と二段ベッドの上に寝る人が前後にズレて寝ることになる。

床に寝る人が上段ベッドの下に入るのは下半身のみになるので、暗渠の中にいるような状態にならず、圧迫感を感じずに寝ることができる。

そして何より、オッサン2人でこの幅の狭い空間に並んで寝るのはまっぴらゴメンだが、この仕組みなら友達と2人で快適に車中泊旅ができそうだ。

後部座席の背もたれ上げるとこうなる。

どっちでも居室には影響ない。

しかし、背もたれを畳んでいればサイドドアから居室(荷室)への出入りができるが、背もたれが上がっていると通れなくなってしまうため、人を乗せる時以外は背もたれを畳んだ状態を基本としている。

当初、後部座席は畳んだ状態を基本にしようと考えていた。

しかし、座席の下もちょっとした荷物置き場になるし、畳んでしまうより、背もたれを倒した後部座席の上を荷物置き場として使った方が実は効率的だ。

しかし、斜めになってしまうので、平らになるこの上に置くテーブルのような台も作ろうと思っている(本当はこの記事を書く前にそれも完成させたかったのだが、間に合わなかったのでまたの機会に紹介したい)。