「ぶつけない?」なぜ激狭「道路」存在? 擦る人続出でも車幅ギリギリにポール設置する理由とは

街中を走っていると稀に車幅ぎりぎりのポールが設置されていることがあります。なぜわざわざぶつけそうな構造物を設置しているのでしょうか。

半泣きでバックした人も?できれば通りたくない設置物の役割とは

 道路には、交通事故を低減させるため、さまざまな標識や設置物が設置されています。
 
 そんななか、とある設置物がSNSで話題を呼んでいます。一体、どのような設置物なのでしょうか。

 道路には、円滑な交通社会ならび交通事故を減らすため「一時停止」や「徐行」などの標識、歩行者の通行場所を確保する「防護柵」やクルマやバイクの速度を減速させるための傾斜である「ハンプ」などが設置されています。

 過去に事故の事例がある生活道路などでは、とくにこうした対策がとられていることが多くさらなる事故が起きないよう、管轄する警察や国土交通省が対策を推し進めています。

 そんななか、とある設置物がSNSで話題となりました。一体、どのような設置物なのでしょうか。

 設置物について投稿したのは「車好き(@kurumazukidesu)」さん。投稿では「はい、出ました!?埼玉県あるある」として、黄色と黒のシマシマに塗装された、2本の円柱状の設置物の写真をアップしています。

 道路の幅を狭めるように設置されているこの「ゲート」の内側面には、擦れたような傷が多く、複数台のクルマのボディが擦れたことが予想されます。

 写真を見ると円柱の間はかなり狭く、車好きさんの投稿には、「大型車で出くわして半泣きでバックした」「初めて遭遇したときテンパった」というコメントが寄せられており、「できれば通りたくない…」と考えている人が多いことがうかがえます。

 また「茨城県にもありました!」「福岡で見たことあります」「世田谷にも設置されてましたよ」「千葉にもあります」など、日本全国での目撃情報が寄せられています。

 首都圏の警察担当者は、円柱の役割について「スピード抑制のために設置しています。普通車で通るのがギリギリになるようなサイズ感で作られています」といい、次のように説明します。

「田んぼや畑付近は高齢者も多く、見通しが良いのにも関わらず、交通事故が起こりやすいのが特徴です。

 そのため事故を防止するために、スピードを強制的に落とせるような制度として設置しています」

 広い道路を走行中に、突然、間隔の狭いゲートが現れたら、おそらく大半の人は一時停止したり、徐行したりして慎重に通過しようと試みるでしょう。ゲートは、そうした人間の心理的側面を利用した交通事故対策といえます。

 また、ポールなどではない物理的施策として、東京都板橋区内を通る首都高5号線高架下の道路の例も挙げられます。

 ここの一部区間では、1.7mの車幅規制が設けられ、物理的な施策として「ハの字」の形をした縁石が存在。

 これは、首都高5号線から降りてきたクルマなどの抜け道になることを抑止するべく半世紀近く前から設置されているといいます。

※ ※ ※

 また前述のように速度を落とさせる以外の目的でも設置されていることがあります。

 東京都の世田谷区喜多見と杉並区梅里をつなぐ「東京都道428号(高円寺砧浄水場線)」は通称「荒玉水道道路」とも呼ばれており、ここは水道が道路の下に埋められている場所です。

 荒玉水道道路では、区間によって車幅制限(1.7mから2.0m)や重量制限(最大4t)が設けられています。

 これを物理的に制限するのが、前述のようなラバーポールやガードレールで道路の両脇に設置されています。

(広告の後にも続きます)

「視界が広いから安全!」は間違い? 田んぼ道で起こりやすい錯覚とは

 視界の開けた農道や田んぼ道に、なぜそうした事故防止対策が必要なのか不思議に感じる人も多いかもしれません。

 都心の道路に比べると交通量も少なく見通しも良いはずですが、なぜゲートを設置する必要があるのでしょうか。

 その理由のひとつには、前出の警察担当者が話すように「利用するユーザーの年齢層の高さ」が挙げられます。

 また、交通量も少ないうえに見通しも良く、その道の運転に慣れている近隣住民が多いことから、おのずとスピードが出しやすい環境となっている可能性も考えられます。

 普段から走行に慣れている道では、初めて通る道よりもスピードを出してしまうという人も多いでしょう。

 さらに、大きな理由のひとつとして挙げられるのが「コリジョンコース現象」です。

 コリジョンコース現象は、別名「田園型交通事故」や「十勝型交通事故」などと呼ばれることもあり、主に農道や田んぼ道など、見通しの良い道路で発生が見られます。

 JAFは、公式ホームページにて、コリジョンコース現象について以下のように説明しています。

「人間の視野には、物の色や形をはっきり認識できる『中心視野』と、色や形の違いや動かないものは認識しづらい『周辺視野』があります。

 ドライバーは横から近づくクルマを周辺視野でとらえやすいため、交差車両が同じ速度・同じ角度で近づいてくると、クルマが動いていないように見えて、直前まで危険を認識できず衝突してしまうことがあります」

 農道や田んぼ道は、見晴らしが良く、比較的周囲の危険を目視しやすいように感じる人も多いかもしれませんが、このような人間の目の錯覚によって、むしろ事故の危険性が高い道路でもあるといえます。

※ ※ ※

 コリジョンコース現象による事故を回避するためには、視点を変えてみるのが効果的とされています。

 まっすぐに前だけを見つめるのではなく、横から接近してくるクルマに目線を移したり、交差する道路の状態をしっかりと確認したりして、中心視野と周辺視野をどちらも活用することが有効的です。

 また、交差する道路にクルマがいることがわかっている場合には、どちらが優先かに関わらず、交差点の手前でゆるやかに減速し、すぐに止まれるように注意して走行すると良いでしょう。