なぜキャンプ場で「車中泊禁止」が増えてる? 客同士のトラブルに発展も! 問題は利用マナーが原因か

昨今、人気が高まっている車中泊。専用施設も登場するなかで、キャンプ場でテント泊せずに車中泊をする人も増えているといいます。そうしたなかで、あえて車中泊を禁止するキャンプ場もあるといいますが、その理由とはどのようなものなのでしょうか。

キャンプ場でテントを張らずに車中泊する人が増えているが…禁止にするキャンプ場も出てきた背景とは

 かつては、仮眠や緊急避難的な捉え方をされていた「車中泊」という言葉ですが、数年前からレジャーとしての意味合いに変化し、今では休日のアクティビティのひとつとして定着しています。
 
 そうしたなかで、キャンプ場などでテント泊をせずに車中泊をするユーザーが増えているようですが、一方で車中泊を禁止するキャンプ場も多くなっているといいます。
 
 なぜ、キャンプ場ではあえて車中泊を禁止する方針を打ち出しているのでしょうか。

 昨今のクルマを見ても、ダイハツ新型「アトレー」は積極的に車中泊の快適性を謳っているほか、ホンダ新型「ステップワゴン」でも純正アクセサリーで車中泊を意識した用品を設定しています。

 さらに、各自動車メーカーはイベントなどに車中泊仕様のカスタムを施したクルマを展示しています。

 このような背景により、「寝るところがないから車内で寝る」から「わざわざ車内で寝に行く」にカーライフが変化しています。

 しかし、実際に車中泊をしようとすると意外に容易ではないようで、第一の関門が駐車場所です。

 公園の無料駐車場などは車中泊をするにはうってつけですが、ほかに誰もいないような状況でもパトカーを呼ばれてしまったというシーンに筆者(山崎友貴)も出くわしたことがありました。

 地方では“よそ者”のチェックが意外と厳しく、他府県ナンバーのクルマが駐まっていると、犯罪との関連性を疑う人が少なくないようです。

 周知の通り、高速道路のPA・SAや道の駅といった施設でも、車中泊やキャンピングカーへの風当たりは緩くありません。

 なかにはマナーの悪い車中泊派がおり、公共駐車場のマスでテーブルや椅子を出したり、火を使っての調理をおこなうなどの行為によるものです。

 一方で道の駅のなかには、日本RV協会と連携して「RVパーク」を開設するところも増えてはいますが、2022年6月7日現在で全国269か所とまだまだ充実しているとはいえません。

「だったら、オートキャンプ場に泊まればいいのでは」と考える人がいると思います。

 クルマで入れるなら、そこで車中泊ができると考えるのは当然だからです。

 ところがそのつもりで、キャンプ場に連絡してみると意外にも「車中泊NG」と断られる施設が多いといいます。

 そもそも車中泊派の多くがキャンピングカーなどを購入する理由のひとつは、“テントの設営・撤収が面倒だから”ということが取材から分かりました。

 駐車スペースに駐めた直後からくつろぐことができ、雨の日でも濡れたテントやタープを片付けなくてもいい車中泊は、実に楽で快適です。

 では、なぜ車中泊をNGにするキャンプ場があるのでしょうか。

 山口県にある車中泊お断りのキャンプ場に聞いてみました。

「ウチの施設はクルマごとの乗り入れは可能ですが、クルマのなかで寝るのはお断りしています。

 理由は、車中泊をする人はほかのお客さんに迷惑をかける人が多いからです(キャンプ場オーナー)」。

 なんとなく抽象的な理由だったので、さらに掘り下げて理由を聞いてみました。
 取材に対応してくれたキャンプ場オーナーによれば、車中泊派が起こすトラブルは「音」「光」が占めるといいます。

 夜中に何度もドアを開閉する音を立てたり、大きな音でカーオーディオを鳴らすといった迷惑行為をする人が多いよういです。

 さらに、夏や真冬などはエンジンをかけたままエアコンを付けるといった行為もあり、周囲へのエンジン音が聞こえ続けることになります。

 また、車外でくつろぐときにヘッドライトや作業灯を点灯させ、周囲の雰囲気をぶち壊しにしているという苦情も多いといいます。

 たしかに、自然のなかでミニマルな道具でキャンプを楽しみに来た人にとって、音や光は極力ないほうがいいものです。

 その後、山梨県や千葉県、都内のキャンプ場など数カ所に取材をおこないましたがやはり同じような理由でした。

 もちろん、キャンプ場での車中泊行為を問題ないとしているキャンプ場もあります。

 そのほか、施設によってはキャンピングカーはOKというところもありましたが、そのような施設は大抵はキャンピングカーエリアを一般とは別に設け、音や光が気にならないような配慮していることが分かりました。

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ユーザー同士のトラブルに発展!? 車中泊禁止を検討するキャンプ場も

 そうしたなかで、最近になって車中泊の可否を検討しているキャンプ場もあるようです。中部圏にあるキャンプ場の担当者は次のように語っています。

「当キャンプでは、これまで車中泊をすることは問題ありませんでした。

 しかし、コロナ禍によりアウトドア人気が高まったことで、気軽に楽しめる車中泊ユーザーが増えたことで、アウトドアやキャンプ場のルールやマナーを理解していない人も増え、お客さま同士のトラブルも置きています。

 もちろん、車中泊自体は悪くありませんし、キャンピングカーで車中泊することもあります。そのため、どのような車中泊ルールを作れば良いのか検討しています。

 車中泊を一概に禁止すれば、お客さまが減る可能性もあり、悩ましい問題です」

 車中泊は、テントを設営せずに非日常を体験出来ることも魅力のひとつです。

 そのなかで、コロナ禍という追い風もあって、ソーシャルディスタンスが取りやすいという点でも車中泊が注目されていますが、まだまだ文化として成熟しているとはいえないのが現状です。

 それゆえに、トラブルが多いのかもしれません。せっかく車中泊仕様のクルマを買っても、泊まる場所がないのは残念です。

 でも、もしかして自分たちの首を絞めているのは、自分たちのマナーの悪さゆえかもしれません。快適な車中泊ライフをおくるためにも、周囲への配慮は忘れずに。