クルマを紹介する画像の多くは斜め前から写され、フロントマスクとサイドの造形が一度にわかるようになっていますが、もちろんデザインの見どころはそればかりでなく、後ろから見たリアビューや、真横から見たサイドビューなど、さまざまです。
今回はサイドビューのシルエットが美しいクルマの中からホンダ車を紹介しますが、ミニバンやSUV、ハッチバック車にも優れた造形はあるものの、やはりホンダらしくスポーツカーやスペシャリティクーペから選びました。
プレリュード(3代目・1987年)
可能な限り低く長くを追求した、FFスペシャリティクーペの傑作
2001年に販売を終えた5代目まで、FFスペシャリティクーペのプレリュードが全盛期を誇ったのは、デートカーとしてもてはやされた2代目と、途中で日産のS13シルビアに王座を奪われるまでの3代目でした。
3代目はリトラクタブル・ヘッドライトのスマートな2ドアクーペという基本こそ2代目と変わらぬものの、18°後傾させたエンジンの高さが低いため、ミッドシップスポーツかと思うような低いボンネットを可能としています。
この低く長いボンネットと、スポイラー状に成形したテールエンド上部によって、実際よりも長く伸びやかに見えるようになっており、ロングノーズ・ショートデッキの古典的スポーツカーのようなシルエットでした。
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NSX(初代・1990年)
超高速域に棲む事を伝えるシルエット
アメリカ製のためかアメ車っぽい印象の2代目に比べ、初代NSXはスマートにして繊細、いかにも日本人好みしそうなヨーロピアンスポーツルックの国産スーパーカーでした。
そのシルエットを特徴づけているのは長いリヤオーバーハングで、ミッドシップゆえに短い排気系の長さを確保し、エンジンや補機類、間接的にはキャビンの温度上昇を防ぎ、ダウンフォースを得て高速走行時の空力安定性に貢献するのが目的です。
おかげでゴルフバックを積めるトランク容量が確保できましたが、他の国産ミッドシップスポーツのようにリアタイヤ直後でスパッと断ち切った軽快そうなテールより、いかにも高速域を重視したスーパーカーという印象を深めています。