マイクロバスとは?

広く普及している小型バスの呼称

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マイクロバスといえば大型バスと比べて小さいタイプのバスとして知られていますが、法律的に「マイクロバス」が定義されているわけではありません。一部の条件を満たすバスを言い表すための呼称として使われていると考えて良いでしょう。

例えば、自動車賃貸業(いわゆるレンタカー)の貸し出し車両のカテゴリーの1つとしてマイクロバスが設けられています。乗車人数が11名以上・30名未満のバスをマイクロバスと考えるのが一般的です。

2ナンバー車の普通乗合車

マイクロバスはいわゆる2ナンバー車です。

自動車登録規則(昭和45年2月20日運輸省令第7号)第13条・別表2によると、2ナンバー車は「人の運送の用に供する乗車定員11人以上の普通自動車」と定められています。

普通乗用車と名称が似ていますが、普通乗用車は「普通乗用(10人以下)」が用途となっており、乗車定員と運転に必要な免許が異なります(後述)。

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マイクロバスの運転に必要な免許

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現行制度では中型免許の取得が必須

現行の運転免許制度を基準に考えた場合、マイクロバスを運転するためには中型免許以上のものが必要になります。

理解を深めるために抑えておきたい要素は、普通自動車、準中型自動車、中型自動車、大型自動車の定義です。道路交通法施行規則第2条(自動車の定義)と道路交通法第85条(第一種免許)を照らし合わせることで理解できます。

マイクロバスの乗車定員は11人以上29人以下と先ほど説明した通りです。道路交通法における取り扱いは中型自動車ということになり、マイクロバスを運転できるのは中型免許取得者でなければなりません(大型免許所有者は中型自動車の運転も可能)。

現行の運転免許制度では普通免許と中型免許の間に準中型免許というものがありますが、準中型免許は普通免許よりも車両重量・最大積載量の大きい車両を運転できるだけで、乗車定員10人以下の車両しか運転できない点は変わりません。

8t限定中型免許だとマイクロバスを運転できない

現行制度は比較的わかりやすいですが、2007年6月の中型自動車免許の導入以前に普通免許を取得された方は特に注意が必要です。

この制度導入以前に普通免許を取得すると、車両総重量8t未満の車両を運転できる、いわゆる8t限定中型免許となったわけですが、これは「乗車定員10人以下」の条件付きです。つまりマイクロバスの運転はこのままではできません。

8t限定中型免許の場合は限定解除が必要

この種の運転免許の人がマイクロバスを運転するためには限定解除を行う必要があります。限定解除の方法は指定の自動車教習所で教習を受ける方法、そして運転免許試験場で限定解除試験を受ける方法の2つです。

教習所で限定解除を行うメリットは段階を踏んで練習したうえで技能試験を受けられることです。その一方で費用が約10万円かかります。

運転免許試験場で限定解除審査を受けるメリットは自動車学校での限定解除よりもコストを抑えられる可能性がある点です。大体3,000円で限定解除審査を受けられます。

デメリットとしては合格率が低いことや試験日が平日であることが挙げられます。運転練習場でレンタルして練習する方法もありますが、1回レンタルするのに1万円(50分)くらいはかかります。