日本だと、海外の車を「国産車には出せないこの曲線がエレガント!」と褒めちぎるのが普通ですが、ドッコイ日本に入ってくるのがそういう車なだけで、本国に行けばいくらでも四角い実用車が走っております。
今回はその中でも、わざわざ日本で販売したドイツ製の四角い車と、「ドイツで四角い車といえば、これを出さざるをえない」という、筆者の趣味丸出しの特別出演車も紹介します。
フォルクスワーゲン ヴァナゴン(T4・1995年)
日本のRVブームにノッて、ちょっとだけ売ってみた
あまりに長くビートル(タイプ1)を売りすぎたせいで、バブル時代まではあまりブランドイメージの良くなかったフォルクスワーゲンですが、バブル時代にいつの間にか日本で市民権を得て、ゴルフなど絶好調。
さらに日本ではRVブームが到来、ワーゲンバスことタイプ2の末裔にあたる商用バンの乗用グレードを「ヴァナゴン」という北米名で1990年に発売、1995年にはモデルチェンジされてより近代的な姿となります。
ゴルフに乗る若い夫婦など「子供ができたらヴァナゴンかな」と言うくらいでしたが、1997年にVW版オデッセイのようなシャランが発売されると販売終了、それ以来日本で四角い車は売っていません。
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メルセデス・ベンツ Vクラス(初代W638・1998年)
ヨーロッパだと当たり前なFF商用バンの乗用仕様
日本ではヤナセのイメージ戦略で高級車メーカーという事になっているメルセデス・ベンツですが、ドイツ本国などヨーロッパでは安価な大衆向けグレードもあれば、実用的な商用車メーカーでもあります。
日本で1998年から販売しているFF1BOX乗用ワゴンのVクラスも、商用バン「ヴィトー」の乗用モデルで、スリーポインテッド・マークがついていても乗り味などはあくまで商用車の延長線上、同社のラインナップではGクラスと並ぶスパルタンな乗り物と言われました。
四角いベンツな初代から、ビアノと一時改名してFR車となった2代目以降はモデルチェンジのたびに内外装の高級感が高まり、数少ない高級輸入ミニバンとなっています。