雑誌にせよWEBメディアにせよ、自動車を紹介する時には大抵の場合において「斜め前」からの写真を使う時が多く、メーカーもそのアングルで絵になる車を作るという事なのか、メーカー公式でもよく使われます。

しかし今回は、「横から見た時のシルエットが美しい流線型、あるいはウェッジシェイプ(クサビ型)など、流線型にとどまらない美しさを持つ」トヨタ車の紹介です。

スポーツ800(通称”ヨタハチ”・1965年)

美しい滑らかなシルエットは、非力でもレースで勝てた原動力のひとつ

トヨタスポーツ800

コンセプトカーの「パブリカスポーツ」時代には、ドアの代わりにルーフ一体式の後方スライドキャノピーを持つなど航空機の概念を大幅に取り入れたトヨタスポーツ800。

パブリカやミニエースでも使われていた790cc空冷水平対向2気筒エンジンは、多少チューンしたとはいえ市販型ではわずか45馬力、その非力なエンジンでホンダ S600などのライバルに挑み、数々の勝利を得た原動力は、空気抵抗を極限した軽量モノコックボディでした。

単にカッコイイだけではない機能美に溢れた、通称”ヨタハチ”のシルエットに、レースでの華々しい戦績という説得力とともに、今なお美しく輝いています。

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2000GT(1967年)

レプリカでもこのシルエットの実現は難しい

トヨタ2000GT

耐久レースでの活躍やボンドカーへの起用など、華麗な歴史に彩られたトヨタ史上最高傑作のスポーツカーには、当然のごとく数々のレプリカが存在します。

しかし、斜め前からならともかく、横からのシルエットではごまかしが効かずにベース車(ロードスターなど)がバレてしまうもので、ロッキーオートのように当時の関係者が監修して同じ部品を作るという、高額なレプリカまで生みました。

ロングノーズ・ショートデッキの古典的なFRスポーツカースタイルに、サイドまで回り込んでいるのがよくわかるフロントウィンドウ、フェンダー上で存在を主張する砲弾型フェンダーミラーなど、横からのシルエットだけでも見る者を飽きさせる事はありません。