その時代の流行でさまざまな形の車が流行り、またある時代のあるジャンルでは、どこも似たような形の車になる事もありますが、商用1BOX車でもない「四角い車」というのは、案外少ないかもしれません。

特に乗用車だと、使い勝手や車内空間に多少の難があってもデザイン優先、流線型やウェッジシェイプ(クサビ型)が好まれる傾向にありますが、今回はダイハツで商用車以外の「四角い車」を探してみました。

フェロー(初代・1966年)

車内空間を確保するための「プリズムカット・スタイル」

ダイハツ フェロー(初代)

軽自動車メーカーの印象が強いダイハツですが、トラックを経て四輪乗用車への参入第一歩となったのは小型乗用車のコンパーノ(1963年)で、軽は軽オート三輪など商用車を経て、1966年発売の初代フェローが初の軽乗用車でした。

既に初代ハイゼットバン(1961年)で4人乗りも可能な軽商用車は発売していましたが、小さな車ほど不利な、ボンネットの下にエンジンを縦置きするFRレイアウトでも、可能な限り車内空間を確保すべく四角いボディを採用。

機能的なだけと言われないよう、角を面取りして凝ったデザインを「宝石のカットを思わせるプリズムカット・スタイル」と紹介し、角型ヘッドライトも国産車初でした。

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シャルマン(2代目・1981年)

最後の国産コンパクトFRセダンは角張ったボクシースタイル

ダイハツ シャルマン(2代目)

1967年にトヨタと提携してパブリカなどの下請け生産を始め、コンパーノなどトヨタとの競合車種を廃止したダイハツですが、廉価版やライトバンを継続生産していた型落ちの2代目E20系カローラがベースなら独自車種もOKとなり、1974年に初代シャルマンを発売。

1981年にモデルチェンジした2代目は4代目E70系カローラがベースで、親方トヨタに気を使ったか、カローラより大きく、コロナやカリーナよりは小さい絶妙なサイズ。

E70系カローラバンや、E70系の最終進化版と言えるAE85/86レビン/トレノの生産が終わる1987年まで作った結果、1.6L以下の国産コンパクトFRセダンでは最後の車になりました。