スポーツカーやF1に始まったとはいえ基本的には大衆車メーカー、DOHC VTECなど高性能車はあくまでイメージリーダーであり、販売面では環境対策車やミニバン、SUVで台頭してきたホンダ。

スポーティイメージに合わせたスタイリッシュなデザインが多く、案外「四角い車」はないものですが、それでも「四角くするからにはとことんやる!」というのがホンダ流なようです。

ライフ ステップバン(1972年)

当時の1BOX車でも、ここまで徹底した四角い車はそうそうない

ホンダ ライフステップバン

当時のFF軽乗用車ライフをベースに、エンジンを押し込めた短いボンネットから後ろは徹底した四角さとFFだから可能な低床キャビン&ラゲッジによって、フルキャブオーバー型の軽1BOX車に対してどうしても不足する車内スペースを最大限確保した意欲作。

現行軽商用車のN-VANと基本的に同じコンセプトを40年以上前に、四角いハイルーフボディでスペース効率を追求する意味でも、初代ワゴンR(1993年)や初代ミニカトッポ(1990年)よりはるか以前の先進的な車でしたが、当時は理解されませんでした。

ホンダは時にこういう「早すぎた車」を出しがちで、タイミングさえ合えばこの車もヒット作になっていたかもしれません。

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ステップワゴン(初代・1996年)

FFベースで四角さを極めた車!ステップバンの精神は変わらず

ホンダ ステップワゴン(初代)

RVブームでミニバンにも流行の兆しが出た頃、まずはアコードベースで背の低い初代オデッセイ(1994年)をヒットさせたホンダでしたが、大本命はシビックベースのステップワゴンでした。

FF大衆車をベースに短いボンネットと四角い低床キャビンというレイアウトは、まんま24年前のステップバンと同じ手法でしたが、当時のハイルーフミニバンはミッドシップのエスティマも含め全てFRかMRの後輪駆動で、不思議とこのような車を作らなかったのです。

FF・低床・ハイルーフのスペース効率追求型ミニバンの元祖となりましたが、アレコレと追加された2代目以降より、初代の割り切った道具感を好むユーザーも少なくありません。