平成時代は、国産4WD車にとって飛躍的な進化から始まりました。
舗装路でも普通に走れるフルタイム4WDが、そしてパートタイム4WDも電子制御により最適な駆動配分を行うトルクスプリット4WD、ビスカスカップリングなどを用いる簡便な生活4WD向けスタンバイ4WDに進化し、大衆車にも普通に採用されていったのです。
当時、安価な大衆車にも普通に4WD車を設定していた日本は世界的にも特異な存在で、それらをベースにより強力なパワーユニットと4WDシステムを採用した国産4WDスポーツは、国内外のレースやラリーで暴れ回り、日本車黄金時代を築いていきました。
日産 スカイラインGT-R(BNR32-34各型)
チューニングベースとして余裕をたっぷり持たせた、2.6リッターDOHC直6ツインターボエンジンの名機、「RB26DETT」と、トルクスプリット型電子制御4WDシステム「アテーサE-TS」を組み合わせ、ニュルブルクリンクサーキットで走り込んで仕上げた怪物。
それまで、国内レースでも海外マシンに格の違いを見せつけられていた国産スポーツが、BNR32の登場で逆に格の違いを見せ、ついには海外へ逆上陸してスパ24時間耐久レースで総合優勝するなど活躍。
その後もBCNR33、BNR34と3世代に渡ったRB26DETT搭載スカイラインGT-Rは、平成時代を代表する国産スポーツの王者であり続けました。
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三菱 ランサーエボリューション(I-X各型)
ランサーEXターボ以来の名機で、2リッター直4DOHCターボへ進化した「4G63」へ、幻のグループBマシン、スタリオン4WDの技術を組み合わせたギャランVR-4は当時最強のラリーマシンでしたが、少々大きく重すぎました。
そこで小型軽量のランサーへパワートレーンを移植したのが、ランサーエボリューション(ランエボ)で、急造感が強かった初期から進化を続けてエボIIIから本領発揮、エボIVでWRCのドライバーズ&マニュファクチャラーズタイトルを制覇。
エボV以降、ワイドトレッド化でターマックでも強さを発揮し、令和時代のGRヤリス登場まで、2リッター以下の国産4WDターボ最強であり続けた平成の名車です。