平成24年(2012年)に86/BRZで復活するまで断絶状態が続いた2L級スポーツクーペですが、平成時代に入った頃はバブル景気真っ只中にあってデートカー需要も多く、単なるスポーツカーとしてだけではない人気車種として、各社から多数がラインナップされていました。

バブル崩壊とRVブーム到来により、急速に「若者のデートカー」としてては人気がなくなり、誰もがスポーツカーに乗る余裕も失われて急速に消えていきますが、今回はそれまでに一時期隆盛を誇った2L級スポーツクーペから、厳選した3台を紹介します。

WRCで活躍、国内では先代が映画のおかげでヒットした勢いに乗った

トヨタST185 セリカGT-FOUR

昭和62年(1987年)に公開された映画「私をスキーに連れてって」の劇中、雪山を激走するシーンで一躍大人気となった先代のキープコンセプトで、流面形デザインでさらなるヒットを記録。

WRCで日本車初となる、マニュファクチャラーズ&ドライバーズのダブルタイトルを獲得するなど、スポーツクーペとしても活躍していますが、国内ではスキー(まだスノボ普及以前)に出かけるウィンタースポーツ向けデートカーとしても人気がありました。

2Lターボ4WDのGT-FOURが一番人気、同自然吸気のFF車もリトラクタブルヘッドライト全盛期にあって、ホンダ プレリュードや日産 シルビアに負けない人気を誇ったものです。

学習型電子制御ATを売りにしたが、走りの実力も本物

三菱 FTO

当時の技術では、直列4気筒エンジンより振動・騒音面で有利とされた小排気量V型6気筒が流行った時代、2L V6自然吸気で唯一リッター100馬力を達成したのが、三菱の6A12エンジンMIVEC仕様。

セダンのギャランやエテルナにも搭載しましたが、本命のFTOは小型軽量ハイパワーのFFスポーツクーペとして、ホンダがインテグラタイプRを投入するまで、同クラスでは最強でした。

ただし、当時の三菱はなぜか最新の学習型電子制御AT「INVECS-II」をCMで強調したのが悔やまれるところで、高回転まで気持ちよく吹け上がるエンジンだっただけに、CMのミスマッチがなければもっと売れて名を残す車だったかもしれません。

2Lターボなドリ車のイメージが強いものの、NA高性能版もあった

日産S15 シルビア オーテックバージョン

デートカーとして成功、バブル崩壊後は程度のいい中古車がドリ車となったS13、デートカー需要の消失で不人気、後期はイカついマスクでドリ車へ割り切ったS14に続く最終モデルが、7代目S15シルビア。

ナロートレッドの5ナンバー車へ回帰の結果、ノーマルではかえってドリフトがしにくくなりましたが、2L級スポーツクーペとして面白いのがオーテックバージョン。

独自チューンで通常165馬力の自然吸気SR20DEから200馬力を叩き出し、トヨタのアルテッツァ用3S-GE(210馬力)やホンダのF20C(250馬力)に比べスペックでは見劣りしたものの、通好みな小型軽量の自然吸気FRスポーツクーペに仕上がっています。

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